ミンチー・クオ氏によると、Appleは有機ELではなく「ミニLED」に注力しているそうです。
今年の第2四半期か第3四半期にはミニLEDを搭載した31.6インチの外付けディスプレイを発売し、2020年後半〜2021年初旬にはミニLEDを搭載したiPadとMacBookが発売される見込みとのことです。
と言われても、「ミニLED??有機ELじゃなくて?」と思ってしまいますよね。
という訳で、今回は「ミニLED」とは何なのかサクッと説明いたしますよ!
ミニLEDって何?
有機ELと違って「ミニLED」のことはまだあまり知られていません。ミニLEDは有機ELに対抗できると期待されている技術になります。
ざっくり言うと、ミニLEDとは「LEDよりもさらに小さいLED」と言っていいでしょう。
通常のLEDは300~350μm程度の大きさですが、ミニLEDのサイズは100~200μmとなります。これがディスプレイにビッシリと敷き詰められます。
液晶との違い
バックライトが不要
液晶はバックライトによって映像を表示しますが、ミニLEDはLEDと同様に赤・緑・青に発光するのでバックライトは不要です。
画質が綺麗
液晶のコントラスト比は3000:1程度ですが、ミニLEDのコントラスト比は数万〜数十万:1程度になりメリハリの効いた描写が可能となります。
また液晶は「黒色」の表現が苦手ですが、ミニLEDは該当部分をOFFにするだけで綺麗に黒色を表現することができます。
低電力
LEDはLEDそのものが直接発光するのでエネルギーのロスがかなり低いです。
液晶と比較した場合、消費電力は約半分程度まで下がることが期待できます。
有機ELとの違い
画質がさらに綺麗に
有機ELは液晶よりも遙かに綺麗な描写ができることで有名ですが、ミニLEDはそれ以上になることが期待できます。
有機ELのコントラスト比は1万:1程度ですが、ミニLEDは数万〜数十万:1となります。
また輝度に関しては有機ELディスプレイの場合500cd/平方m前後ですが、ミニLEDディスプレイだと1,200cd/平方m程度になるようです。
長寿命
スマホと違って、有機ELのパソコン向けディスプレイがあまり普及しない理由はパソコンは長時間連続で使用するので「焼き付き」の危険性があるためです。
一方ミニLEDには焼き付きの危険性はほとんどありません。
一説にはディスプレイの寿命が10万時間になると言われているので有機ELや液晶よりも遙かに高寿命となることが期待できます。
ミニLEDのデメリット
量産化で価格が下がる前の段階ということもありますが、一番のデメリットは「高価」であることです。
2018年の段階ではスマホ向けminiLEDのパネルは有機ELのディスプレイの3-4倍程度の価格となっていました。パソコン向けディスプレイの場合は10倍になるそうですよ。
しかしながらAppleが純正ディスプレイやiPad、MacBookに搭載するのが本当であれば、既にある程度価格が下がってきた可能性があります。
いずれにせよ焼き付きの心配のない高画質で低電力のディスプレイが出てくるのは本当に嬉しいですね。MacBookやiPadがさらに進化しそうでワクワクしてしまいます。