SNSにおいて約6割がタイトルだけを見て分かった気になっているとお伝えしましたが、このように文章を読まない影響なのか中高生の読解力低下が調査で明らかになりました。
中学生で約4割、高校生の約3割が2つの文章の読解で不正解
以前カミアプでは、SNS上の記事投稿において約6割がタイトルだけを見て分かった気になっているとお伝えしました。
要は記事の文章を読まずにタイトルだけでなんとなく理解したつもりでシェアする人の割合が非常に高いという話なのですが、その影響も多少はあるのかなという調査結果があったのでご紹介します。
国立情報学研究所が中高生2万5千人を対象に読解力の調査を実施したのですが、内容は教科書などを基に基本的な文法を理解していれば答えられる問題を出題したんです。
その中で似たような文章を比べて、2つの文章が同じ意味なのか異なる意味なのかを問う問題があったんです。
それが以下の2文。
幕府は、1639年、ポルトガル人を追放し、大名には沿岸の警備を命じた
1639年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた
皆さんも考えて見てほしいのですがこの2文、意味は同じでしょうか?それとも異なっていますでしょうか?
答えは「異なる」が正解なのですが、調査結果では「同じ」と回答した中学生は約43%、高校生は約28%もいたんです。
幕府と大名の2つがどれに掛かるかが変わってるのですが、どうもそれが分からなかったようですね。
続いてもう一問。以下の文章を読んでみて下さい。
仏教は東南アジア、東アジアに、キリスト教はヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアに、イスラム教は北アフリカ、西アジア、中央アジア、東南アジアにおもに広がっている
質問は「オセアニアに広がってる宗教は何か?」という問いに対して、「キリスト教」と答えられなかった中学生は約38%、高校生は約28%もいたそうです。
いやーこれはさすがにほぼ正解してほしかった。それぞれの宗教がどの地域名に掛かっているのかが分からなかったんですかね…。
さてこういう調査が行われると必ずや出てくるのが「本を読まないからだ」とか「スマホの影響だ」なんて話ですが、1ヶ月の読んだ本の数やスマホの利用時間などとの相関はみられなかったとのこと。
ただこの調査、過去どうだったのかという結果はなかったので、実は昔から変わっていないなんて可能性もあるのはなんとも言えないところ。
それでも紹介した文章を読み違えてしまう人が多いというのは、正直ショックですね。
2017.11.29 18:34追記
高校生の正解・不正解のグラフ画像にて%の数値が間違っておりました。お詫びして訂正いたします。