ハローワールド、Hikaru Sanoです。
統合されたハードウェアとソフトウェアが売りのApple製品、その親和性はiPhoneが世界レベルで売れるスマホになるレベルですね。
ハードウェアを完全自社生産できないAppleはサプライヤーを頼りにしているワケですが、彼らがAppleと契約するのは実はものすごくリスキーなのかも知れません。
打ち切り宣言で価値が62%ダウン
今年4月にAppleは、iPhone 4からGPU(グラフィックに関わるチップ)の供給源だったImagination Technologies社との契約を終了すると通告しました。
これはAppleがGPUを独自設計する方針に伴ったもので、同社はAppleから得られていた利益、およそ全体売上の50%以上とも言われていた収入を失う予定となってしまいます。
この情報だけなら「じゃあ事業縮小して頑張れば良い」とも思えますが、株価の変動がそれを許しませんでした。
なんとこの通告の直後から信じられないスピードで株価は下落、3月31日時点で268.25ドル(約3万円)だった株価は翌営業日の4月3日に103ドル(約1万1千円)まで一気に下がります。
収入の半分を失い株価が62%も一気に下落した同社はすぐにVR事業への進出などを発表しましたが、あまり意味をなさず6月下旬には身売りの話が持ち上がりました。
そして先日、CBFIと呼ばれる中国政府関連ファンドが買収を確定、約5億5千万ポンド(約836億円)での身売りとなり、例の通告からおよそ6ヶ月でImagination Technologies社は実質的消滅を迎えた事に。
サプライヤー企業にとってAppleとの契約というのは非常に魅力的で、大きな収入を長期間得続ける絶好のチャンスに思えるかも知れませんが、今回の件を見るに手放しで喜べるようなものではない事がわかりました。
この件はおそらく現在契約中のサプライヤー各社も注目していた案件だけに、「次は我が社も…」と恐怖している社長さんがいるかも知れません。
まとめ
Appleの通告1つで株価が1営業日で62%も下がるとか、経営者も株主も相当絶望した事が伺えますね…。
結局自社立て直しが叶わず身売りとなってしまった顛末を見るに、ある意味Appleはサプライヤー各社を支配しているとも言えるでしょう。