ども!ともぞうです。
本日未明にリリースされたiOS 11ですが、どうしても新しいコントロールセンターや新機能に目が行きがちですよね。
そんななか、私が気になっていたのはWWDC2017で発表されてから気になっていた写真・動画の新フォーマット採用について。
画質は変わらずファイルサイズは半分になるというのですが、本当なのか実際に試してみました!
iOS 11から採用された新フォーマットHEIF/HEVC
かみあぷでも以前ご紹介しましたが、軽くおさらいをするとiOS 10までの写真のフォーマットはJPEGかraw、動画はH.264となっていました。
これがiOS 11になり、それぞれ新たなフォーマットが採用された訳です。
- 写真 ⇒ High Efficiency Image File Format(高効率画像ファイルフォーマット)
- 動画 ⇒ High Efficiency Video Coding(高効率ビデオコーディング)
これらはそれぞれ頭文字を取って、写真は「HEIF」、動画は「HEVC」と略して表記。
それでこの新フォーマット何がすごいって、画像の劣化がないにも関わらずファイルサイズが半分になるという触れ込みなんです。
画質が変わらないのに半分ですよ?半分?
いや確かにすごい技術で実現しているとは思うのですが、やっぱり自分で試してみないと納得できないので実際に撮影してその写真・動画の画質・ファイル容量がどう変わるか検証してみました。
同じ位置で新旧フォーマットで撮影して比較
写真で画質と容量を比較
今回検証に使ったのはiPhone 7 Plus。比較にあたってはiOS 11から追加された設定⇒カメラの中に出てくるフォーマットの設定をいじりながらやっていきます。
ここの設定デフォルトで「高効率」にチェックが入っていて、このまま撮影すれば自動的に新フォーマットで撮影が可能となっています。
もし常に今まで通りのJPEGで撮影したいんじゃ!という方は、ここを「互換性優先」にすればOKですよ。
それでは早速1枚目。上が新フォーマットのHEIF形式、下がJPEGでの画像となっております。
いやー見分け付かないですね。ぜひクリックして拡大した画像を見て頂きたいのですが、拡大しても違いは分かりません。
さて肝心なファイル容量ですが、比べてみると…
新フォーマットが本当に容量が約43%減になってる!いや、元々そう言われていた訳ですが、いざ自分でやるとこれはびっくり。
続いて2枚目、3枚目もいっちゃいましょう。同じく上が新フォーマットのHEIF形式、下がJPEGでの画像となっております。
写真2枚目
写真3枚目
これまた新旧フォーマットで、画質に差は見られず…。
気になる容量はと言うと、1枚目と同様どちらもちゃんと新フォーマットが容量が約42-45%減になっております。
ということで、写真で比較する限り確かに画質は変わらず容量は半分ちかくになるというのはあながち間違いなかったようです。
動画で画質と容量を比較
続いては動画の比較へ。
検証にあたっては20秒の動画を撮って、その静止画の画質と容量で見ていきたいと思います。
こちらが動画から切り出した静止画。上が新フォーマット、右が下フォーマットとなっております
うん、違いが分からないw
なのでさらに拡大してみると…それでもほぼ変わらないですね。(上が新フォーマット、下が旧フォーマット)
にも関わらず…ファイル容量を比べてみると、新フォーマットのほうが容量が約38%減になっております!すごい!
ということで、半分とまでは行きませんでしたが、確かに動画でも画質が劣化することなくファイル容量を小さく出来ることが確認できました。
新フォーマットHEIF/HEVCに関する補足
ここまで読んで「おお、すごいこれなら本当に容量が半分ちかくで済む!!いますぐiOS 11にするわ!」と盛り上がった方、いらっしゃったらすみません。
実はちょっとしたオチが待っておりまして…この新フォーマットを使った撮影が出来るのは、A10以降のチップを搭載した端末のみなんです。
チップ名で言われてもピンと来ないと思うので、具体的に言うと対応しているのは、以下の4端末に加え、
- iPhone 7
- iPhone 7 Plus
- 12.9インチiPad Pro
- 10.5インチiPad Pro
先日発表されたばかりのiPhone X、iPhone 8/8 Plusということになるんです。
画像の表示、動画の再生に関しては、iOS 11のA9チップを搭載した端末でも可能となっており。iPhone 6s / SEに加えiPad(2017モデル)が対応しています。
ただし実際には対応端末にHEIF/HEVC形式で保存されていても、例えばメールやAirdrop、SNSなどへ投稿する際には自動的にJPEGに変換されるので、実際に生ファイルを受け取って表示できないなどはあまり起こりえないと思われます。
またもう1つ知っておきたいのはパソコンでの閲覧。こちらも制限があって、Dropboxの公式サイトに分かりやすい表があったので引用させていただくと以下のようになっております。
分かりやすく言えば、写真のHEIF形式を生ファイルで表示できるのは、最新のMacOSのみで、動画のHEVC形式は最新のMacOS、Windows10共にそのまま閲覧可能ということです。
あと注意点として写真のHEIFはファイルの拡張子が「***.heic」となっていて区別が付きやすいのですが、動画はどちらも「***.mov」となっていてエンコードを確認しないと分からないのが難点。
こうなると今までiPhoneをパソコンにつないで、まとめて写真や動画などを取り込んでいた場合にはどうするんだ?という話なのですが、
最新ではないMacOSでイメージキャプチャを使った場合とWindows10で直接iPhoneをストレージで読み込んだ場合、どちらの場合でも新フォーマットはJPEGとして認識されていたので、特に問題はなさそうです。
ただ1つだけ難点があって同じJPEG形式にもかかわらず、何か変換が入るせいなのかファイル容量は新フォーマットの方が約3割程度大きくなってしまうのでご注意を。
まとめ
画質は変わらず容量が半分になる夢の様なフォーマットがiOS11で扱えるようになったことがよく分かりましたし、パソコンなどのデータ転送時にも特に意識せず使える事が分かりました。
ただ対応端末が少ないのが残念でなりませんが、それを差し置いてもこれだけでiPhoneの容量を占める写真や動画の容量が半分で済んじゃうんだからすごいですよねえ。
iPhone 7シリーズをお持ちの方はもちろんのこと、iPhone 8以降を購入予定の方はぜひこの記事を参考にお試しあれ!