ハローワールド、Hikaru Sanoです。
まもなく公開されるiOS 11、様々な新機能やARといった楽しめる要素も盛り込まれており、新作iPhoneよりも楽しみにしている方も多いかと思います。
そんなiOS 11、なんと広告関連の団体からとある新機能の搭載について抗議されているそうですが、一体どういう事なんでしょうか?
Safariの新機能「ITP」
メジャーアップデートとなるiOS 11には様々な機能が追加されるワケですが、その1つにSafariの新機能「ITP(Intelligent Tracking Prevention)」というものがあります。
これはWebブラウジングで利用されるCookieという情報の制御プログラムで、具体的にはこのCookieの有効期限を制御し、ユーザのWebブラウジングを快適にする目的で搭載するとの事。
しかしAppleはこの「ITP」搭載について、広告関連団体から「(ITPは)インターネットの経済モデルを妨害する」として、搭載の取りやめを含めた抗議を受けました。
Cookieは様々なシーンで活用されており、例えば「1度ログインしたサイトに再度訪れたら自動ログイン」させているのも、「通販サイトの買い物かご情報を記憶」しているのもCookieの機能によるもの。
同様に、「Amazonで閲覧した商品が別のサイトの広告で表示される」のも、「自分に興味のありそうな広告が色々なサイトで表示される」のもCookieの機能(ユーザ追跡)によるもので、これが制限される為に広告関連団体はAppleに抗議を申し立てたというワケです。
「ITP」はCookieの有効期限を制御すると上記で述べましたが、具体的には下記のように機能します。
- サイトを訪問してから24時間はこれまで通り
- 24時間以降はログイン情報等のみ利用可能
- ユーザ追跡はブロックされる
- 30日後にCookieは完全削除される
24時間はこれまで通りですが、それ以降はユーザ追跡ができなくなり「適切な広告の表示」ができなくなる、として広告関連団体は「ITP」をどうしても非搭載にしたい模様。
ただし一般的なユーザやAppleファン、あるいは開発者などにはかなり好評の機能であり、この抗議でAppleが「ITP」を取り下げる事はありえないでしょう。
まとめ
インターネットの経済的発展は確かに広告によるものが非常に大きいですが、それ以上に「違法アップロードサイト」や「フェイクニュースサイト」といった、悪質なサイトの収入源になっているという事実も。
Appleは「ITP」をデフォルト設定でオンにしているものの、Safariの設定から簡単にオフにできるようにしており、「SafariはデフォルトでサードパーティのCookieをブロックする最初のブラウザ」と宣言しています。