ハローワールド、Hikaru Sanoです。
アメリカ大統領選時に横行したフェイクニュース、悪質なものも多くそのまま素直に信じてしまった人も多かったそうです。
不本意とはいえフェイクニュースの拡散を手伝ってしまったFacebookは正式に対策を発表、実行に移したわけですが、どうも内部から疑問の声が上がっている模様。
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2/1200という生ぬるさ
Facebookは去年の12月、アメリカ大統領選時に横行したフェイクニュース問題を受けて「第三者機関にニュースのファクトチェック(事実確認)をさせる」という対策を発表しました。
ファクトチェックは世界中の報道機関や専門の民間企業などに委託する形で展開され、ココまで見ればFacebookからフェイクニュースは消えていくような気がしますね。
このファクトチェックは以下のような手順で展開され、
- 一般ユーザがニュースを「報告」する
- 当該ニュースがリストされる
- リストされたニュースを第三者機関が調査
- 2グループ以上の第三者機関が「虚偽」と判断したら記事に「異議あり」のタグが付く
- 「虚偽」とする根拠のURLリンクがニュースに併記される
フェイクニュースには「異議あり」タグと「虚偽」の根拠となったURLが併記されるようになるのですが、削除や非表示といった対策は取られません。
またアメリカでこのファクトチェックの委託を受けている、PolitiFact社のアーロン・シャロックマン氏によれば、「(ファクトチェックが必要な)記事は毎日1,200〜1,500出現するが、(チェックできるのは)2件程しか確認できない」との事。
ファクトチェックは「存在しない情報の事実確認」という「悪魔の証明」のような作業で、非常に時間がかかる(少なくとも1記事5時間)ため、チェックしなくてはならない数とできる数に大幅な差が出ている状態だそうです。
またチェックしなくてはならない記事について、第三者機関が確認できる情報は「閲覧数」程度しかなく、例えば他の第三者機関が既に確認を済ませた記事リスト、拡散し始めたのは誰かといった情報は一切提供されていないため、「どの記事からチェックすべきか」という優先順位の決定すらできない状態との事。
Facebook側はこの件について「プライバシーの問題」を挙げているそうですが、この状況や情報開示の無さに内部からは「生ぬるい」と不満の声があがっているようです。
まとめ
FacebookのCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏は、そもそもフェイクニュースが問題になった際にその事実を軽視していた節があり、実際にFacebookは1ヶ月ほどフェイクニュースに関する抗議を放置し続けてきました。
今年4月にFacebookの副社長であるアダム・モスセリ氏は、「Facebookからフェイクニュースは減った」と発表したのですが具体的な数字は無く、アーロン氏の証言からも本当にフェイクニュースが減ったのかは甚だ疑問でなりませんね。