こんにちわ、Hikaru Sanoです。
世界中で何かと問題になっている「児童ポルノ」、子供への性暴力を抑止するために各国では様々な禁止法が展開されています。
このような犯罪に関わる人間は逮捕されて然るべきなのですが、とある男性は身に覚えのない「児童ポルノ」所持容疑で誤認逮捕され、その後の人生がめちゃくちゃになってしまったのです。
原因はタイピングミス
2011年7月、人の社会復帰を支援する仕事に従事していた黒人男性のナイジェル・ラングさんは「児童ポルノ」所持容疑で逮捕されました。
彼は逮捕当時、白人の妻と2歳の息子と過ごしており、警察訪問と容疑内容、突然の逮捕にとても驚いたと話しています。
逮捕と同時に自宅のデスクトップPCとノートPCは押収され、彼は警察署で4時間の尋問を受ける事になり、途中気を失ってしまう事もあったそうです。
彼には「児童ポルノ」で逮捕されるような覚えなどなく、終始無実を主張しましたが聞き入れられず、押収されたPCの解析に3〜6ヶ月かかると言われ保釈されました。
そもそも逮捕に至った原因は、警察が調べていた「児童ポルノを大量に共有しているソフトのIPアドレスを特定」できた事で、そのアドレスのアカウントを所持しているのがラングさんの妻だったのです。
警察は妻への嫌疑を抱く事なく、他に何の根拠も無しに何故かラングさんを疑い、逮捕までの経緯を全く話さずに「児童ポルノ」所持容疑で逮捕。
PCの調査結果は3週間後には出され、そこには何の問題も無くラングさんの無実が証明されましたが、その3週間で彼を取り巻く環境は大幅に変わってしまっていました。
「火の無い所に煙は立たない」というニュアンスの話を職場等で話されていたようで、彼は無実を証明されたにも関わらず腫れ物のような扱いを周囲から受ける事となります。
ラングさんは「なぜ自分に疑いがかかったのか」を警察に問い合わせたのですが、「時間が経過しているため回答できない」と突っぱねられ、再度弁護士を通して問い合わせをする事で「妻のアカウントが児童ポルノを大量に共有しているIPアドレス」であった事を知ります。
そしてその「IPアドレス」そのものが、警察内での情報共有時にタイピングミスで別のものに置き換わっていた事、事件記録には未だにラングさんの名前やDNA情報等が連ねられている事を知りました。
しかも、逮捕直後に警察はラングさんの雇用主に「ラング氏は児童ポルノ所持で逮捕した」と連絡しており、職場等でなぜ腫れ物を扱うような扱いを受けたのかという原因も知る事になります。
彼は警察の「タイピングミス」と「根拠のない推察」と「必要のない連絡」により、自分の今までいた環境を全て破壊され、ついに2013年8月にストレスに耐えられなくなり仕事を辞める事になってしまいました。
そして驚くべき事に警察はこの時点で正式に謝罪しておらず、書面での正式な謝罪は事件発生から約3年が経った2014年4月になってからだったとの事。
ラングさんは警察を「私の人生を台無しにした」と訴え、2016年10月に6万ポンド(約866万円)と法的費用を受け取ったそうです。
しかし、彼が言う逮捕前の「人生で一番幸せだった時間」は2度と戻ってはこないでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
本当に全く無関係な人間が警察のたった1つのミスと怠慢により、全てを失う事となりました。
警察や裁判所によって無実である事を証明されたとしても、未だ周囲の彼を見る目は「児童ポルノ所持の犯罪者」であり、6年が経過した今も変わらないという事実は恐怖せざるをえません。
彼に「警察はこのような事をする時、100%確実でなければ行うべきではない」と、同様の被害が再発しないよう訴えかけています。