こんにちわ、Hikaru Sanoです。
お世辞にも安いとは言えないAppleの正規修理、以前は画面破損だけの場合などにサードパーティの修理業者に依頼したり、リペアパーツから自分で修理して修理費用を安くしようというユーザも多かったですね。
しかしその行為には「とある問題」があり、それが原因でAppleはオーストラリアの消費者委員会から訴えられる事となりました。
尾をひくエラー53問題
2016年1月19日Appleは「iOS 9.2.1」をリリースし、アップデート内容は「セキュリティアップデート」「MDMサーバを使用に関するバグ修正」というものでした。
大型アップデートだった「iOS 9.2」から1ヶ月後のアップデートという事もあって、内容も上記のようにセキュリティやバグの対策だけだと思い、多くのユーザはサクッとアップデートしてしまいます。
しかし実際にはこのアップデートに「Touch IDとロジックボードのペアリングを確認」するコード、「ペアリングが確認できない場合エラー53を出す」コードが盛り込まれていました。
そして「非正規の修理を施したTouch IDを搭載したiPhone」が有無を言わさず文鎮化する事件、「エラー53事件」が発生します。
この「エラー53」とは、「Touch IDとロジックボードのペアリングが不正」である場合に「iPhoneを使用できなくする」というとんでもないもので、元々はiPhone組み立て工場で「Touch IDが正常に動作しているのかを確認するもの」でした。
「iOS 9.2.1」にアップデートした途端に端末が文鎮化するとか、iPhoneユーザにとっては悪夢でしかないでしょう。
「初期化すりゃ良いじゃん」と思う人がいるかも知れませんが、そもそも初期化しても元の文鎮に戻るだけで何も解決せず、非常に多くのユーザが「エラー53による文鎮化」を訴えている事からAppleは正式に謝罪、「iOS 9.2.1(build 13D20)」を2月19日頃にリリースしました。
ただし「文鎮化」は解除されても「ホームボタン使用不能状態」で、元の状態に戻したい場合は「Appleの保証対象外修理費用がかかる」とされました。
そしてこの問題を受けてオーストラリアの消費者委員会がAppleを起訴する事となります。
訴えによると「エラー53問題」そのものはもちろん、当初は受け付けるとした保証対象外修理もその後の対応で「受け付けない」とされ、オーストラリアの「消費者が特定の製品保証を受ける権利」を侵害しているとしました。
Appleが推奨する正規修理以外で修理したとは言え、ユーザが購入した端末そのものを企業の一存で「遠隔で文鎮化」するのは企業倫理的にダメでしょうし、その後の対応も結局「ホームボタンは使用不能」で「修理受付拒否」というのはかなり酷だと思いますね。
またアメリカでも同様の集団訴訟が展開されており、今後の動向が各種メディアに注目されています。
まとめ
いかがでしたか?
サードパーティの修理を利用しただけで端末そのものが利用不能になるというのは、製品を利用する側としては許せない行為でしょう。
Appleは「高度なセキュリティー保持の為」と説明していますが、「購入した製品を遠隔で使用不能にした」事実は変わらず、結局その端末は買い換える他ないという事でAppleの姿勢に否定的な人はかなり大勢いるようです。