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【コラム】「チケット高額転売反対声明」に覚える違和感…みなさんはどう思いますか?

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こんばんは、yumiです。

8月22日、多くのアーティストも賛同する「チケット高額転売取引問題の防止」を求める声明が発表されました。

最近は『チケット売買専用サイト・アプリ』なども登場し、転売チケットを売ることも買うことも身近になってきているため、このような発表がされたと思うのですが…。

私はこの声明に違和感を覚えるざるを得ませんでした。

※本記事について「iPhoneに関係ないじゃねーか!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ネットでの転売が多い点や、チケット売買のアプリがあるということで取り上げさせて頂きました

「チケット高額転売取引問題の防止」声明とは

ーーー私たちは音楽の未来を奪うチケットの高額転売に反対します

今月22日、

  • 一般社団法人日本音楽制作者連盟(FMPJ)
  • 一般社団法人日本音楽事業者協会(JAME)
  • 一般社団法人コンサートプロモーターズ協会(ACPC)
  • コンピュータ・チケッティング協議会

の4団体が「チケット高額転売取引問題の防止」を求める共同声明を発表しました。

これにはサザンオールスターズや嵐、安室奈美恵、Mr.Children、中島みゆきなど日本の名だたるアーティスト116組や、FUJI ROCK FESTIVALやROCK IN JAPAN FESTIVALなど24の国内の音楽イベントも賛同。

声明を要約すると、

  • チケットを買い占めて、不当に価格を吊り上げる個人や業者が横行している
  • チケットが本当に欲しいファンに行き渡らない
  • 転売サイトでは入場できないチケットや偽造チケットが出回っている
  • 高額で転売チケットを手に入れるしかないファンが経済的負担をうけている

といったもの。

この声明内に書かれていることは確かに間違っていないでしょうし理解もできますが、違和感を覚えるのは私だけでしょうか…?

高額転売の違法性

まず「転売行為」の違法性についてですが、これは違法ではありません。

行きたいアーティストのコンサートチケットを買ったけど、当日どうしても行けなくなってしまった→行きたいと言っていた友だちに定価で売ろう

こんなことは多々ありますし、これが違法と言われたら逆に困ってしまいますよねw では、

行きたいと言っていた友だちに定価よりちょっと高く売ろう

この場合はどうなんでしょうか?(おいおい、友だちなのに高く売りつけるとかどうなんだよ…という気持ちは置いておいて)

実はこれも違法ではありません。

ただしアーティストや音楽イベント、プレイガイドなどが独自に「営利目的の転売禁止」という利用規約を設けていることが多く、定価よりも高く転売していることが判明すると、

  • 転売チケットでの入場ができない
  • ファンクラブから退会させられる
  • 今後のコンサートチケットが取りにくくなる

などの罰則があることが多いようです。では、

行きたいと言っている友だちも周りにいないし、ネットオークション(もしくは転売サイト・アプリ等)に出品しよう

おそらく今回の声明はこのようなケースを指していると思いますが、これが違法なのかというと…やっぱり違法ではありません(もちろん上述した利用規約等では違反となる場合がありますが)

むしろ「チケット転売」と考えた時に一番に思い浮かぶいわゆる「ダフ屋」ですら、現時点で法律で禁止されているわけではなく、各都道府県が迷惑防止条例として禁止にしているだけ(※1)

※1 ただし転売目的で買占めるほどに多数購入して価格を大幅に吊り上げて高額で売ろうとする行為をする場合は、独占禁止法に抵触する可能性はある(参考:Wikipedia

Photo credit: yellowdogparty via Visual hunt / CC BY-ND

本当にここに問題があって多くの人が被害を被っているなら、なんらかの法律がすでに出来ているはず。

もちろん「法律で禁止にされてないからいいよねー♪」というわけではないですが、「高額転売を防止しよう!」という声明は感情論だけではないのか…という気がしてしまうのです。

高額転売に賛成は感情論だけ

確かに「不当に買い占めて価格を釣り上げる」というのは独占禁止法に抵触する違法行為ですし、取り締まるべきですが、正当に手に入れたチケットを転売する行為までも「ダメ」と、主催者側が一方的に決めていいのでしょうか?

そもそも「安く買って高く売る」という行為は資本主義の原則です(ダフ屋そのものを取り締まる法律がないのもこの辺が関係していると思われます)

それにまた法律の話になってしまいますが、民法206条以下では「所有者は所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する」とあり、正規で買った所有物を使うか?誰かに転売するか?捨てるか?というのは所有者の自由

例えば私が自分で買ったiPhoneをネットオークションに出しても、Appleが「売るな!」という権利はないわけです。これはチケットも同じ。

ではチケットだけがなぜ問題になるのか…それは「買えなかった人に高く売るなんてヒドい!」「私が高くて買えない転売チケットを買ってコンサートに行くなんてズルい!」という感情だけだと思うんです。

声明内にあった「チケットが本当に欲しいファンに行き渡らない」というのも、これって転売行為そのものを禁止すればなくなる問題なのでしょうか?

人気アーティストの場合、コンサートに行きたいファン全員が行けるコンサートなんて到底ムリです。転売されたってされなくたって、行きたくても行けない人なんてたくさんいます。

そしてこれまた声明内にあった「高額で転売チケットを手に入れるしかないファンが経済的負担をうけている」というのも、ファンが経済的負担をうけてでも、自分でその転売チケットを買うと決めているわけです。誰も強制していません。

極論を言えば、「高額で転売チケットを手に入れるしかないファン」のことを本当に思っているなら、そういう人が出ないように「今回のコンサートはファンクラブ会員No.10,001〜20,000の人限定。全員入れます!」「次のコンサートはNo.20,001〜30,000!」とかすればいいじゃないですか。順番にやれば「次は行けるし!」って不満も出ないと思うんですよね。

それをやらないのって、結局「埋まらなかったら面倒」「ピンポイントに案内を出すのが面倒」みたいな主催者側の怠慢なんじゃないでしょうか?

転売チケットだって、本当に禁止にしたい=転売チケットで入場できないようにしたいなら、顔写真を入れるとか、チケットを買ったクレジットカードを持ってきてもらって確認するとか、なんでもやり方はあるはず。

それをやるには費用もかかるし、時間もかかる!だからお前らが転売をそもそも止めろ!なんてただの暴論だと思うんです。

前からかみあぷを見て頂いている方は知っている方もいると思いますが、私もとあるバンドの大ファンでコンサートがある度に行ってます。ファンクラブで買えることが多いですが、時には抽選にはずれて行けない…という時もあって、転売サイトを覗いたこともあります。

ただそういう時は「行くからには良い席で見たい→良い席は高いなぁ…」のコンボで毎回買わずに諦めていますが、買える人が買えばいいし、空席が埋まるならいいんじゃないか、と思うんですよね。

正規でチケットを買った人が行けなくなった→転売して、チケット代も無駄にならない→チケットが買えなかった人が転売チケットを買って行けるようになった→アーティストも空席が出ずに嬉しいんじゃないの?Win-Winじゃないの?と。

おそらく今回の声明は「個人の転売」というより「組織的な不当買い占め」に焦点を当てているとは思いますが、それをハッキリさせない意味も分からず、声明を出して一体なにがしたいのかと感じてしまいました。

さて長くなってしまいましたが、私の意見をまとめると

不当な買い占めによる価格のつり上げは違法だから当然取り締まり対象。でも個人での転売は主催者側がどうこう言えることじゃない。本当に転売をさせたくないなら、主催者側がなんらかの対策を練るべき。

みなさんはチケットの高額転売についてどう思いますか?

LINEMOLINEMO
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