こんにちは、yumiです。
何度かお伝えしている大手キャリアの独占禁止法違反について、公正取引委員会が報告書を公開しました。
今まで私たちユーザーも「常識」だと思っていたスマホの販売方法や契約など、計7項目が「問題あり」と指摘されています。
1つずつ見てみましょう!
公取委が問題をまとめた報告書を公開
公正取引委員会が「大手キャリアは独占禁止法違反の可能性がある」との指摘をしてから約3ヶ月。この度、問題をまとめた報告書が公開されました。
【報道発表】
公正取引委員会は,平成28年8月2日,「携帯電話市場における競争政策上の課題について」を公表しました。#携帯電話 #スマホ #SIMロック
※https://t.co/fDpgpO3B6F pic.twitter.com/x7oO7GIK40— 公正取引委員会 (@jftc) 2016年8月2日
これまで私たちユーザーも「常識」と思っていたスマホの販売方法や契約などについて7項目が「独禁法違反もしくはその可能性がある」と指摘されています。
こちらでその全文が読めるのですが、なんせお堅くて分かりづらい…ということで1つずつ分かりやすく解説していきたいと思います。
※「これからどうなる?」については公取委の公式な見解ではなく、あくまでも「可能性」である点をご了承ください。
1. 通信契約と端末販売の分離
今まで
端末を購入した際に、2年の通信契約を継続すれば端末代金が大幅に割り引かれていた。
問題
端末代金を大幅に値引く代わりに2年の契約を求めることで、格安SIM(MVNO)の新規参入を阻害する恐れがある。
これからどうなる?
本体代金の割引がなくなることで、ユーザーの負担が短期的に増加する可能性あり。
ただし「本体代金を割引く前提の通信料金設定なのでは」との指摘もあり、今後通信料金が下がることが期待されている。
2. 中古端末の流通促進
今まで
キャリアが「下取りキャンペーン」などで下取りしていた端末は、国内で再販売されていなかった(新興国に流通させていた)。
問題
「安価な中古端末を購入できない」というユーザーの選択肢が減ることにより、MVNOの新規参入の妨げになる恐れがある。
これからどうなる?
安価な中古端末の販売が開始され、手に入れやすくなるためユーザーの選択肢が増える。
3. 端末へのSIMロック
今まで
キャリアで購入した端末は、基本的にそのキャリアの通信のみが利用できる(SIMロック)。
ただし2015年5月1日以降に発売した機種を対象に、機種購入日から6ヶ月経過後はSIMロックの解除が可能。
問題
SIMロック解除には費用もかかる(※)ことから、他のキャリアやMVNOへの乗り換えの障壁となる。
※各キャリアのwebサイトからの手続きは無料。電話や店頭での手続きは有料となっています。
これからどうなる?
そもそもSIMロックという機能そのものが廃止されることが期待されている。
4. 期間拘束・自動更新付契約
今まで
2年間の契約を途中で解約したり、2年経過後も「無料で解除できる契約更新月」以外は、契約解除料が発生していた
問題
ユーザーに対して長期契約の代わりに割安料金を提示した上で、中途解約することが困難なほど契約解除料を高く設定することは不当。
これからどうなる?
現在の契約解除料9,500円が安くなる可能性がある。
5. MNOの通信網等に対するアクセス
今まで
MVNOへ回線を貸し出しているのはドコモが主で、auやソフトバンクは貸出をほとんど行っていない、もしくは貸し出していなかった。
問題
MVNOの新規参入の妨げになる。
これからどうなる?
大手キャリアがデーターベースを開放し、MVNO独自の(海外ローミングサービス等も可能な)SIMが登場することが期待されている。
6. 端末購入に係る割賦契約
今まで
キャリアがスマホ本体代金の分割支払総額を決めており、販売店はその価格に従って販売していた。
問題
販売店の自由な価格設定を阻む。
これからどうなる?
同じキャリアの同じスマホでも販売店によって価格が異なるようになり、その結果、端末代金が安くなる可能性あり。
7. 端末のOSとアプリケーション
今まで
端末を新しく購入した時に、その端末のOSを開発している事業者の自社アプリがプリインストールされていた。
例:iPhoneには『時計』や『天気』などが、Androidには『Google検索』などがプリインスールされている
問題
他アプリ事業社の新規参入の妨げになる。
例:『時計』アプリがプリインストールされていると、他社が開発している『時計』アプリがインストールされない
これからどうなる?
端末購入時にプリインストールアプリがなくなり、他アプリ事業者の新規参入や技術革新が期待されている。
まとめ
ということで、公取委がキャリアに求めている改善点7項目をご紹介しました。
この取り組みはMVNOの新規参入促進が主となっており、今まではどうしても「キャリアがあってこそのMVNO」という認識がありましたが、今後はキャリアとMVNOが同じ土俵に立ちユーザーの選択肢が増えることが期待されています。
ユーザーとしては「端末が安く」「月額費用も安く」「契約内容が分かりやすく」なるのが一番うれしいですよね。今後キャリアがどのような動きを見せてくるのか…注目です!