Safariを使う際に、匿名性が高まることが知られているiCloudプライベートリレー。
今回はそのプライベートリレーがどのような機能を果たしているのか分かりやすく説明します。
プライベートリレーをオンにするとこうなる
IPアドレスが変わる
まずプライベートリレーがオフの状態のIPアドレスをみてみましょう。
数字が「61.127…」となっており、OCNを使っていることが丸見えとなっています。
一方、プライベートリレーをオンにすると、以下のようにIPアドレスが変更されました。
「104.28…」となっており完全に異なる数字です。
つまりIPアドレスが変わり、匿名性が高まったことを意味します。
登録情報を見てみるとOCNという情報はなく、CloudflareNetとなっています。
iCloudプライベートリレーを使うと位置情報を偽装することが可能となっており、「おおよその位置情報を保持」「国と時間帯を使用」の2通りから選ぶことができます。
「おおよその位置情報を保持」だと現在の住所付近となり、「国と時間帯を使用」を選択すると、IPアドレスから推測される住所は東京付近となります。
プロバイダーやネットワーク管理者も監視できない
一般的にプロバイダーやネットワーク管理者、WEBサイトの所有者にはDNS レコードや IP アドレスなどが知られてしまいます。
ですがプライベートリレーを使うことで、「誰が何を見たか」という情報を隠すことができます。
学校や社内のネットワークを利用する際にもアクティビティは非公開となるので、安心して使うことができます。
iCloudプライベートリレーの仕組み
このようなプライバシー保護はどのような仕組みになっているのかAppleは以下のように説明しています。
IP アドレスを見ることができるのは、ネットワークのプロバイダと 1 つ目のリレー、これは Apple が運用しています。DNS レコードは暗号化されるので、あなたが閲覧しようとしている Web サイトのアドレスを両者とも知ることはできません。
2 つ目のリレーは他社のコンテンツプロバイダが運用していて、これが一時的な IP アドレスを生成し、あなたがリクエストした Web サイトの名前を復号化した上で、そのサイトにあなたをつないでくれます。
参照;Appleサポートページ
分かりやすく解説しましょう。
Appleは2つのリレーを構築します。1つ目のリレーは「IPアドレス」。2つ目のリレーは「閲覧行動」です。1つ目のリレーに分かるのはIPアドレスのみ。2つ目のリレーで分かるのは訪問先のWEBサイトだけ。元のIPアドレスは分かりません。その代わり、ランダムに生成されたIPアドレスが割り当てられます。
つまりあなたの情報(IPアドレス)と訪問する先のWEBサイトの情報を分離している為、Appleを含め誰にも閲覧情報が分からないという訳です。
注意すべき点
Safariのみの機能
一見すると、プライベートリレーはVPNのようにプライバシー保護機能が働くように見えます。ですがこれはあくまでSafariに限った話。
Chromeや他のブラウザを使う際にはプライベートリレーは機能せず、IPアドレスは丸見えとなってしまいます。
Googleにロボットだと疑われることがある
またプライベートリレーのIPアドレスは変わりやすいのでGoogleから「ロボットなのでは?」と聞かれる機会が増える点も注意が必要です。
私の場合、週に何度かあるのでこれが地味にめんどくさいです。
プライベートモードじゃないと閲覧履歴は残る
プライベートリレーを使用すると、Appleですら閲覧情報は分かりません。
ですがSafariはプライベートモードにしないと閲覧履歴自体はデバイスに残ります。匿名性を高めたい場合にはプライベートモードで使いましょう。
iCloudプライベートリレーをオンにする方法
設定の最上部の自分の名前をタップします。
そして「iCloud」をタップ。
次に「プライベートリレー」をタップしてオンにすることで完了です。
匿名性を高めたい方は、「IPアドレス位置情報」を「国と時間帯を使用」にチェックを入れてください。