Appleは、昨年2022年4月から米国で「セルフサービス修理プログラム(Self Service Repair Store)」を開始し、12月からヨーロッパの8カ国が追加されました。
日本では話題にもなっていませんが、今フランスでは、Appleが修理部品のシリアル番号入力を必須としていることに対し、誤解を招く商行為と計画的陳腐化の疑いで検察が捜査しているとのことで、大問題になっているとのことです。
フランスで修理部品のシリアル番号入力について計画的陳腐化の疑いでAppleを捜査
iPhonesoftによると、フランス通信社AFPは、「計画的陳腐化を阻止する(HOP)」ことを目的とする団体から、修理部品のシリアル番号をiPhone、iPad、Macのシリアル番号に結び付けるというAppleの慣行に関し告発を受け、フランスの検察当局が昨年2022年12月からAppleを捜査していることをレポート。
Une enquête a été ouverte en décembre 2022 pour pratiques commerciales trompeuses et obsolescence programmée après une plainte déposée par l'association Halte à l'obsolescence programmée (HOP) contre le géant américain des smartphones Apple, a indiqué le parquet de Paris #AFP pic.twitter.com/RCcPwpgWcy
— Agence France-Presse (@afpfr) May 15, 2023
Appleのセルフサービス修理プログラムでは、 iPhoneやMacなどのデバイスの部品を注文する際、デバイスのシリアル番号を入力する必要があり、注文した部品はインストール後に同じデバイスとペアリングする必要があります。
HOPが問題としているのは、このAppleの慣行により、Appleが認定された技術者のみに修理を制限し、認定されていない部品で修理されたデバイスの機能が制限される可能性があることです。
HOPは、デバイスが、たとえ同一のオリジナルであっても、Appleのソフトウェアによって認可されていない部品で修理された場合に誤動作が発見されており、アップデート中にトリガーされることもあることを訴状に記載しています。
最近のケースでは、iPhone XRの修理されたタッチスクリーンがiOS16アップデート後に使用できなくなったなど。iOS15に戻すだけでこの不具合は修正できますが、Appleはそれを許可しておらず・・・
セルフサービス修理サイトiFixitも、Appleが昨年プログラムを開始したとき、以下のようにシリアル番号の要件に失望を表明しています。
シリアル番号チェックをチェックアウトプロセスに統合することは悪い予兆であり、Appleが将来さらに多くの修理をブロックする可能性があります。個別の修理を提供する技術を開発することで、Appleは将来、あらゆる供給元からの部品を使用してすべての修理を承認または拒否するための窓口となります。
パリ検察庁が捜査を主導しているとのことですが、訴状に関連した不正行為でAppleを正式に告発するまでには、まだ至っていないとのことです。
HOPは以前、バッテリーが消耗した古いiPhoneモデルの電源が予期せずオフになるのを防ぐためにバッテリー性能を抑制したとして、フランスでAppleに対して訴訟を起こし、Appleは2500万ユーロの罰金を支払ったとのことです。