AppleのAirTagは持ち物を見つけ出すために便利な道具ですが、海外で政府と大手企業が行っているリサイクルプロジェクトが実際に行われているのか、メディアが調査し、話題になっています。
AirTagでリサイクルプロジェクトで収集された靴を追跡調査
ロイターは、シンガポール政府と化学メーカーのダウなど大手企業が共同で行っている、スニーカーなどの靴のリサイクル事業が実際に行われているのか、AirTagで調査。
シンガポール政府とダウなどは、靴のリサイクルプロジェクトを実施しており、集めた靴をシンガポールで新しい遊び場やランニングトラックを建設するために材料にリサイクルして使用すると伝えています。
ロイターは、「回収された靴を最初から最後まで追跡し、それが実際にシンガポールの新しいスポーツグラウンドで使用されるかどうか、または少なくとも地元のリサイクル施設で細断処理されるかどうかを確認」したいと考えました。
ロイターのレポーターは、2022年7月、11足のNikeなどのスニーカーの靴底に浅い穴をあけ、AirTagを埋め込み、インソールで覆い、iPhoneの「探す」アプリで追跡調査を開始しました。
11組の内1組は、シンガポール国内の回収箱から約1マイルの公営住宅に留まっており、リサイクルボックスから誰かが持ち出したようです。
数週間後、ロイターが寄贈した靴のうち10組は、回収箱から中古品輸出業者の施設に移動し、隣接するインドネシアに移動したことが分かりました。
ロイターの追跡調査の結果、インドネシアにわたった複数のスニーカーは、蚤の市で販売されており、AirTagのビープ音を鳴らすことで発見されました。
ロイターがリサイクルボックスに寄付した11足のスニーカーのうち、シンガポールでスポーツ施設やキッズパークに転用されたものはありませんでした。
ロイターの調査結果を受け、シンガポール政府と化学メーカーのダウなどの大手企業は、リサイクルプロジェクトの調査を開始し、海外へ勝手に回収したスニーカーを輸出した中古品輸出業者をプロジェクトから除外したとのことです。
以前、航空会社が紛失した荷物を勝手に慈善団体に寄付されたカップルが、AirTagで4か月後に発見したとのレポートがありました。
去年4月には、ウクライナで、ロシア軍の兵士による略奪行為により盗まれたAirPodsを「探す」アプリで追跡することで、ロシア軍の位置情報を確認できたとレポートされています。