国の政策として国内からの中国締め出しを行っているアメリカ、IT業界で有名なところだとTikTokやWeChatについてのニュースが度々取り上げられており、最終的にはこれら2つのアプリをアメリカ国内使用禁止ないし、事業を買収する動きを見せていますね。
まだまだ初動段階なのでこれからさらに様々な締め出しが行われるかと思われるのですが、中国と縁の深いAppleも他人事とは言ってられない状況のようで、脱中国の動きを見せ始めているようです。
ベトナムやインドで置き換える
Appleの主力デバイスであるiPhoneは、基本的に多くの国や企業から必要なパーツを生産・開発・受注しており、そのパーツを中国の組み立て工場に集めて組み上げる、というのがここ10数年のセオリーとなっています。
しかしトランプ政権は、米中関係の緊張と秘密保護のための国家による中国締め出しとして、「Clean Network」というプログラムを発表しました。
この「Clean Network」はざっくりアメリカから中国を締め出すためのプログラムで、まだそこまで大きな影響を見せてはいないものの、今後様々な分野で無視できないような影響を及ぼすと考えられています。
iPhoneなどの組み立てをほとんど中国の工場で行っているAppleも当然例外ではなく、最近になってベトナムやインドでの生産拡充を考えているような動きを見せている事が明らかとなってきました。
ベトナムではLuxshare社が所有する組み立て工場をAppleが視察していると報道されており、この視察は工場の設備の確認やiPhone組み立て事業に関する様々な取り決めなどが行われたのではないか?と言われています。
しかしそう簡単な話ではないようで、工場の新規建設や資材、設備などに関してはAppleが驚くようなスピード感があるものの、Luxshare社側と労働者の生活条件などで折り合いがついておらず、稼働予定は後ろ倒しになってしまっているようです。
インドではかねてより一部iPhoneの組み立てを行なっていましたが、Wistron社が現在iPhone組み立てに採用している人員を、現在の2,000人から10,000人に増やす雇用計画がリークされています。
単純計算で現状と比べて5倍の生産力に強化しようとしているワケですから、ただの増産要因ではなく今まで中国の工場で生産していた分をある程度インドでも生産できるようにする目的が垣間見えます。
まとめ
かなり短期間で一気に米中関係が悪化したため、多くの中国企業と連携するアメリカ企業が何らかの対策を強いられるでしょうから、Appleも具体的に禁止される前に中国以外で現在の生産力に近い生産力を確保しておきたいのでしょうね。
我々が手にするiPhoneがベトナム製やインド製になるかは今後の米中関係によるでしょうが、戦争でも起きかねない緊迫した状況が続いているだけに、以前のような極端な品薄やベトナム製・インド製のiPhoneが日本に来る可能性はそう低くないでしょう。