携帯電話には固有の識別コードであるIMEI(International Mobile Equipment Identity)というものが格納されており、基本的に世界に1つしか存在しない仕組みで生成されているので、様々な機関が信用で認証として利用しています。
しかし最近になって、この信用を利用した詐欺が世界中で発生しているとニュースになっています。
修理するのが怖くなる
最近アメリカの警察官が、修理から帰ってきたVivoのスマホにシステムエラーが表示され使えないという状態になり、端末を調べると元のIMEIとは異なる別のIMEIが登録されて使用できなくなっている事が明らかになりました。
前述の通りIMEIは基本的に世界に1つになるよう管理されているのですが、上記のケースだと最終的に13,000台以上もの同じIMEIが存在している事が明らかとなり、組織的な犯行で有効なIMEIを13,000台分以上盗み出している事がわかります。
この有効なIMEIが何に使われるかと言えば、例えば機種代金や利用料を支払わずにロックされた高価なスマホや、盗品のスマホのIMEIを有効なIMEIに書き換えて使用できるようにし販売、あるいは犯罪に使用するスマホのIMEIを書き換えて犯人を他の人間に偽装する、などがあります。
個人のIMEIの書換行為自体を違法にし始めている国も多く、スマホ企業を除きIMEIを書き換える行為自体がこうした違法行為以外に用途がないので、違法化してしまう方が犯罪の抑止や厳罰化しやすくなるので当然の動きと言えますね。
IMEIは15桁の数字で構成されており、AA(企業)BBBBBB(機種)CCCCCC(シリアル)D(チェックディジット)という構造になっているので、最初の8桁でどの企業のどのスマホなのかがわかり、最後の数字を使った特殊な計算でIMEIが正しいものかどうかを判別しています。
普通に考えれば作り出すのもなかなか面倒な15桁の数列なのですが、最近話題になっているアメリカの黒人抗議活動に便乗した暴徒に盗み出され、AppleにロックされたiPhoneなども使用できるよう書き換えられる可能性があり、窃盗団などの犯罪組織にとっては活動に必要な技術となっているでしょう。
では我々が使用しているiPhoneではどうなのか?という話ですが、Appleやキャリアから購入し正規代理店で修理したものは間違いなく安全ですが、フリマアプリなどで売られているものや非正規の修理店で修理する場合はその限りではない、と言えるでしょう。
日本ではこうした事件の記録などもあまり見つからず、IMEIの書き換えを直接違法とする法律は存在しないのですが、これから同様の事件が発生しないとも限らないので信頼できる場所で購入し、信頼できる場所で修理するよう心がけた方が良いかもしれません。
まとめ
一部メディアでは「Appleはこの種の詐欺の影響を受けません」と断言していますが、条件や機器などが必要であるものの脱獄する事もハッキングする事も可能なので、安心しきってしまうのは危険だと言えるでしょう。
ちなみに昨年AppleがIMEI詐欺に遭った事例があり、その事件は「偽iPhoneに有効なIMEIを偽装登録してAppleに交換修理させたiPhoneを売り捌く」という事件があり、2人の学生が100万ドル(約1億円)を稼いだニュースが話題になりました。