ショートムービーSNSとして2018年頃から流行っているTikTok、15秒から1分ほどの動画コンテンツであるもののBGMを好きにできたり、動画の再生速度を調整したり、美顔効果などを簡単に実行できるとあって特に若い世代に人気ですね。
そんなTikTokのクローンと言われているアプリが最近登場したのですが、なんと登場からほどなくして本家を抜きさりアメリカの無料Appランキングで1位を獲得するほどなのですが、その本家を出し抜いた手法に疑問の声が上がっているようです。
まるでマルチ商法
TikTokのクローンと言われるほどそっくりに作られたショートムービーSNSである『Zynn』は、確かに各所でクローンと言われるほどそっくりなアプリで、一般的に考えて本家にまさる何かしらの魅力がなければ出し抜く事はできないでしょう。
しかしどれだけ調べてみても、クローンと言われるだけあってZynnがTikTokよりも優れたコンテンツを提供している、といった記述は全く発見できずあくまでTikTokのクローン=Zynnという関係は変わりませんでした。
ではなぜZynnがTikTokを出し抜きアメリカの無料Appランキングで1位を獲得するに至ったのか、というと、「アプリを友人に紹介すると報奨金がもらえ、その友人が別の人間にアプリを紹介するとさらに報奨金が手に入る」という、マルチ商法にそっくりな報奨金システムが原因でした。
ちなみにマルチ商法とは違法なものをねずみ講とも呼んでおり、「会員が新規会員を勧誘し、その新規会員が別の会員を勧誘する事でピラミッド状の販売組織を形成する」商法で、ピラミッドの頂点が下位の会員の売り上げを吸い上げる形式になっています。
マルチ商法には合法なものと違法なものがあるものの、定義はいまいち曖昧で具体的な線引きも少ないのですが、Zynnが実施したのはまさにこのマルチ商法かなり近いダイレクト広告マーケティングという事になります。
システム的には、サービスインするとなぜか1ドル(約100円)がアプリ内で提供され、Zynnを友人に紹介すると20ドル(約2,150円)、5人紹介ごとに10ドル(約1,070円)のボーナス、都合5人紹介ごとに110ドル(約11,800円)が手に入るようになっています。
There is also an aggressive rewards and invite feature. Earn small amounts of cash watching videos. Earn a lot more for inviting friends to do the same. pic.twitter.com/9TcsY7sFi1
— Turner Novak (@TurnerNovak) May 27, 2020
これがどんどん連鎖してマルチ商法のようにボーナスのためにどんどん紹介者が増大し、一気にアメリカの無料Appランキングで1位を獲得する事になったのですが、このアプリには今のところ違法になる可能性が指摘されています。
それは、どうにもこの紹介で得た現金を引き出す事が現状うまくできない、つまり最初から払う気のない詐欺である可能性がある、という事です。
まとめ
さくらも混じっているので断言はできないでしょうが、一部では現金を引き出せたというような情報もあり、お小遣い稼ぎに若者がこのアプリを友人に紹介しまくっている状況があるのは安易に想像できますね。
ただし大半のアカウントがこの現金を引き出せていないようなので、もしかしたら大掛かりな詐欺事件として摘発される可能性も十分にあり得ますし、Appleがこの報奨金プログラムを違法と判断してストアリジェクトする可能性も十分考えられるでしょう。