新型コロナウイルスの影響か特にイベントを開催せずいくつかの新製品をリリースしたApple、iPad Proも新たな機能や新しいキーボードのリリースも同時に行われ、本当ならかなり盛大にイベントを開催していたでしょうね。
そんなiPad Proのリアカメラには新しくLIDARと呼ばれる測量カメラが搭載されたのですが、この違いも含めて分解でお馴染みのiFixitが分解レポートをリリースしています。
LIDARとTrueDepthの違い
多くのモバイルデバイスやPCを分解・修理・評価しているiFixitは先日、新しく発売されたiPad Proの分解レポートを公開しました。
ただ現地は外出禁止令が出ており、1スタッフによる分解動画のみの公開に留まっており、レポートによる詳細公開は後日になると考えられています。
さっそくカメラ部分の分解結果ですが、左上が超広角10MP、左下が広角12MP、右側がLIDARユニットで上が発光ユニット、下が受光ユニットになっているようです。
LIDARユニットはFace IDを担っているTrueDepthユニットと仕組みの原理自体はほぼ一緒で、深紫外~近赤外の不可視光線を発し、その光が受信ユニットに返ってくるまでの時間差で立体を測定しています。
iFixitの動画では実際にLIDARとTrueDepthがどう違うのか検証しており、下記画像は赤外線カメラを利用して不可視光線の照射の違いを説明しています。
LIDARは比較的感覚が開いていて水玉模様程度なのですが、TrueDepthはびっしりと光を照射して測位している事がわかり、各々の特性を分けた使い方をしています。
TrueDepthはFace IDで顔を鍵情報にしているため至近距離で非常に多い発光を行い、LIDARはARなどで利用するために5m向こうまでの周囲の立体を測位するようまばらで遠くまで届くように発行している事がわかります。
そして分解し終えた結果ですが、あの薄いケースに多くの精密機器がギチギチに詰められているだけあり、そのほとんどが強力な両面テープや接着剤で固定されており、修理のしやすさは3/10というかなりの低スコアとなってしまいました。
最初に画面側と背面側を切り離すのにもかなり手間がいる作りとなっており、Appleが公式のスタッフ以外に分解・修理を任せたくない気持ちがヒシヒシと伝わる動画となっていました。
まとめ
LIDARとTrueDepthは原理が一緒で用途が違うので、LIDARが遠距離仕様、TrueDepthが至近距離仕様となっており、必要な精度の違いからも発光数そのものが違うという事がわかりました。
この技術は今後iPhoneにも搭載されると考えられており、iPhone 12 Pro Maxはもしかしたら正方形カメラではなく長方形カメラになっている可能性も十分考えられるでしょう。