コミュニケーションツールとして今や誰もが持ち歩くスマホですが、このスマホが原因で我々は対面コミュニケーションを疎かにしているのかも知れません。
イギリスの大学で心理学講師をしている専門家が、スマホによって対面コミュニケーションの質が低下し、会話で得られるはずのものを自ら捨てている可能性が示されました。
人と話す時はスマホを見ない
今や誰もが当たり前にスマホを持ち歩き、問題のあるなしに関わらず様々な場所でながらスマホをしていますね。
これは直接会って話している場合についても例外ではなく、我々は気付かずに人と会話している最中にスマホを取り出し使用してしまい、相手との会話で得られるはずだったものを取りこぼしている可能性があります。
元Appleのデザイナーとして有名だったジョナサン・アイブも通っていたイギリスのノーザンブリア大学で、心理学講師として教鞭を振るっているジェナビー・ブラウン博士は先日、「一緒にいるのにどうやってスマホは我々を切り離すのか」というエントリーを掲載しました。
彼女はスマホが普及し非対面のコミュニケーションが活発になった反面、対面のコミュニケーション時でもスマホを使用してしまっている現状に警鐘を鳴らしています。
エントリーではいくつかの実験結果などが説明されているのですが、彼女自身が行なった「何も知らない友人に待合室で5分待機してもらう」実験では、63人中48人がスマホを取り出し平均して1分15秒使用しており、会話は弾まずすぐに中断してしまう傾向にあったそうです。
これは会話のインタラクションがながらスマホによって著しく低下しているのが原因で、親密度などに関係なくスマホのながら会話は一様にインタラクションの質を下げ、特に親密度が低いと会話が終了するまでのスピードも極端に早くなったとの事。
会話で得られる情報、信頼関係をスマホに少なからず阻害されている可能性があり、対面でのコミュニケーション時は必要がない限りスマホを取り出さない事をブラウン博士は薦めています。
またブラウン博士は、大切な人の出す小さなサインを見逃す可能性も高くなると話しており、未然に防げた事件事故をみすみす発生させてしまう可能性も危惧しています。
まとめ
一昔前なら会話中にケータイを使っていればケンカになったり注意されたり怒られたりしたもんですが、今や誰もがながらスマホしている時代なので気にも留めなくなっているようですね。
この記事を書く前に渋谷を歩いたのですが、歩きながらスマホで動画を再生し、しかもそれがイヤホンなどではなくスマホのスピーカーから大音量で鳴っている状態で、誰も気にも止めていないという状況に恐怖さえ覚えました。