アメリカのラスベガスで毎年開かれている大規模な電子機器の見本市CESにはたくさんの革新的な製品が集まります。
その多くは未来的で私たちの心を踊らせるような製品ばかりですが、一部には「なぜこれを作ったのか」と問いたくなるような製品もあるようです。
残念ながらCESは一般公開されていませんが、AppleInsiderがその酷い製品ワースト5をまとめくれていたのでご紹介します。
CES2020に展示された「色々な意味で酷い製品」5選
このワースト5は「なぜそれを作ったのか」という観点や、単純に製品のどこかに懸念事項があるのかという観点から選ばれているようです。
Eva Mini
まずはFrescoから出展されたEva Miniです。これは凍結されたオリーブオイルを溶かして、朝食のパンを食べるのに丁度いい量のオリーブオイルを用意してくれるマシンです。
つまり、電子レンジやコンロなどの代わりに、オリーブオイルを別で解凍したい場合にはこの約7,000円するマシンを買うといいでしょう。
残念ながら、コーヒーマシンのように、オリーブを入れればその場でオイルを抽出してくれるわけではなく、専用の凍結されたオリーブオイル(10個で約4千円)を別途で購入する必要がありますが。
これが選ばれた理由はもちろん「凍ったオリーブオイルを溶かすだけのマシンに7千円の価値があるのか?」と開発者に聞きたくなるからです。
そもそも普通にオリーブオイルを買うのと味は違うのでしょうか?
Skiin
こちらはスポーツブラのような下着に様々なセンサーを搭載した製品で、私たちの体調を常時モニターすることができます。
心拍数、呼吸数、体温、運動、ストレスレベル、睡眠の質など様々な観点から評価でき、さらに下着のようなものなのでそのような多種のセンサーを装着していることのわずらしさはほとんどありません。
これはそこまで悪いアイデアのように聞こえません。実際Apple Watchのようなものだと考えると悪くありません。
しかし、問題はこの製品のプライバシーに関する懸念です。
開発者はSkiinから収集したデータを積極的にコミュニティに共有する計画を話しており、あなたのパーソナルなデータが医療関係者や、雇用主にすら共有される可能性があります。
最悪の場合は、そのデータが保険会社と共有され、場合によっては保険料金が値上がりするかもしれません。
いずれにせよ、プライバシーに関する議論が十分ではないという点で今回はワースト5に選ばれてしまったようです。
製品そのものは興味深いため、今後のさらなる議論に期待です。
Samsung Sero
最近はスマホの画面をリビングのテレビに飛ばして大画面に写すことも簡単にできるようになりました。
しかし、横長のテレビに写せるものは基本的に横長の動画に限定され、縦画面で使うことが多いスマホの画面を写すのは本質的に適していません。
これの解決策は何ですか?サムスンが提案した案は、テレビの画面を物理的に回転させるというものでした。
例えばツイッターなどのSNSを見る時に、リビングの大画面に移しながら確認することができます。
しかし、スマホで動画を見るときは大画面に映したいと思うこともあるでしょうが、そのほかの作業の時にテレビに映したいと思うことはありますか?
また、この43インチのテレビを置くにも通常より大きなスペースが必要です。画面が回転する妨げにならないように、テレビのスタンド周辺には物を置くのが難しくなります。
また、画面を横にしたり縦にするたびに画面がゆっくり回転していくのを見守る必要があります。
そういうわけで、このサムスンが発表したSeroの需要があまりにもニッチすぎると考えられワースト製品の一つに選ばれました。
実際の動作の様子は下の動画からも確認できます。
Bzigo
これはもはやネタ枠の製品と言ってもいいでしょう。しかし興味深い製品であることは間違いありません。
ペットを飼っている場合や、子供がいる家庭では家のリビングに遠隔でアクセスできるカメラを置いている人もいるでしょう。
このBzigoというカメラデバイスは小さなデバイスで部屋のどこにでも配置できます。そして、部屋に隠れた潜在的な脅威を常にスキャンします。
では、潜在的な脅威とは?Bzigoは泥棒などの侵入者を感知するわけではなく、部屋の中に「蚊」がいるかを検知してくれるのです。
蚊が発見されると、レーザーポインターで狙い、その蚊の場所を一周します。同時にスマホにも蚊の存在を通知で警告できます。
つまり、部屋の潜在的な脅威である「蚊」を退治するお助けカメラというわけです。
部屋を徘徊する蚊で困っている人はぜひ購入を検討してみてはいかがでしょうか。
Modobag
最後に、Modobagを紹介しましょう。これは、見た目通りのスーツケースなのですが、なんとバッテリー搭載で所有者はその上に座りながら最大時速十キロ弱で空港内を移動することができます。
2時間の充電で約6マイルの移動が可能になっており、つまり1時間ほど走り回ることができるようです。
もちろん、機内の持ち込みができるように適切なサイズに設計されていますが、モーターとバッテリーのために多くのスペースが失われているため、あまり持ち物を運ぶのには適していないかもしれません。
Modobagが空港内を走っている映像はまだ見つけられませんでしたが、実際の様子に興味がある方は下のビデオをみてください。きっとModobagも似たようなものになるはずです。
Modobagがこのワースト5に選ばれたのは言わずもがなですね。
荷物を運べないスーツケースを運ぶくらいなら手さげバックでも持ち込むべきでしょう。
まとめ
いかがでしたか。色々な意味で酷い製品を5個紹介しましたが、しかしどれも興味深い製品であることに間違いありません。
特に蚊を発見するマシーンは将来的に蚊を殺すところまで自動化することを目標としているようで、もしかしたら本当に欲しくなるような製品が完成するかもしれません。
CESは他にも面白い製品がたくさんあるので、興味がある方はぜひご自身で調べてみてください。
色々な意味で驚くような製品が沢山ありますよ。