Apple黎明期の商品が高額でオークションにかけられる事はニュースでたまに見かけますが、そんな商品を実際に使用している例はかなり少ないですね。
今回ご紹介するのは、Appleが1986年に発売したハードディスクなのですが、これをなんとiPhoneに接続して使用可能にした猛者が登場し話題になっています。
USB規格も無い時代のハードディスク
Appleが世に送り出した最初の外付けハードディスク「20SC」は、1986年9月に発売された容量20MBの当時としてはかなりの大容量ハードディスクで、当時価格は1,299ドル(約142,200円)、当時の貨幣価値を考慮すると3,030ドル(約331,500円)というなかなか高価な製品です。
当時はUSB規格もなく(初出は1996年)SCSIによる接続のみに対応しているのですが、動くだけでもプレミアものなのにiPhoneに接続して使用しちゃった猛者が登場しました。
YouTuberのnapabarさんはごく最近YouTubeを始めたようですが、その動画のどれもがものすごく昔のIT製品をiPhoneで使用するという企画のもので、今回の「20SC」もその一環となります。
「20SC」には前述の通りUSBなどが搭載されていないのですが、SCSI to USBコネクタを使用してiPhoneに接続し、iPhoneの「ファイル」アプリを起動した状態でSiriに接続するよう呼びかけます。
すると数分後にiPhoneが「20SC」を外部接続メディアとして認識し、あらかじめ「20SC」に入れておいた写真や書類などを再生する事に成功しました。
通常古いIT機器は10年も違えばフォーマットなどの問題から使用はおろか認識できない事も多いのですが、最新のiPhoneで最古のハードディスクを読み込むというのはかなりすごい、というかAppleの規格ルールの厳しさや応用力を感じさせますね。
もちろんデカすぎるし容量も20MBしかないので全然実用向きではないのですが、それでも最新のAppleデバイスと最古のAppleハードドライブが連携したというのは非常に興味深いですね。
napabarさんは動画の最後に、現行モデルのiMacでも同様に「20SC」が認識・使用できる事を証明してみせています。
まとめ
今じゃ20MBなんてmicroSDカードでも超小容量の時代ですから、当時の20MBハードディスクがおよそ33万円で取引されていた事を考えると、我々は非常に恵まれた時代に生まれたのだとも実感できますね。
当時のApple開発者が30年以上未来にこの製品が使用される事を想定していたかは定かではありませんが、Appleが独自とはいえ厳しいフォーマットルールを守っているのも「いつまでも使える機器」を目指していた証拠なのかも知れません。