インターネット上に公開された画像などのデジタルコンテンツは、たとえ商業商品でもSNSなどで簡単に違法拡散・違法ダウンロードされる現状となっており、アーティストらにとっては公開するメリットデメリットに悩んでいる人も多いそうです。
そんな現状を打ち破れる新しい保護システムを、Adobe・Twitter・ニューヨークタイムズの3社が共同開発していると発表されました。
CAIとはファイルの編集履歴を追うシステム
Adobe・Twitter・ニューヨークタイムズの3社は昨日、デジタルコンテンツを保護し著作者が損をしないようにする新システム「Content Authenticity Initiative(以後CAI)」を共同開発中であると発表しました。
このCAIはデジタルコンテンツにメタデータと呼ばれるファイル情報を新たに付与するもので、ざっくり「誰が作り」「誰がいつ編集したか」などを記録するデータシステムだそうです。
Adobeは発表会で実際にCAIを実装したPhotoshopでのデモを公開しており、仮に画像パクツイなどがされても画像自体に著作者情報が保持され、信頼できるデータかどうかを判断できるようにしました。
インターネットやSNSで画像や動画などは簡単に保存でき、そしてまるで自分が作ったかのように偽装公開できていますが、このCAIが本格普及すればそれらの一切を防止する事ができるでしょう。
CAIは基本的にほとんどのデジタルコンテンツに付与できるように開発を進めており、画像や動画、音楽などのコンテンツに限らず、例えばニュースといったテキスト情報にも付与できるようになるそうで、ニューヨークタイムズは誤報やフェイクニュースの防止にも役立つと期待しているそうです。
本来インターネットを利用するすべてのユーザーに良心的なリテラシーがあれば必要のないシステムですが、現状違法ダウンロードや違法配布などが横行している以上、今インターネットに一番必要な社会的仕組みであると言えますね。
今後数ヶ月でCAIは主要なIT企業やメディア企業などと会合を開き、リリースの準備を進めていくと説明されています。
1日でも早くリリースされ、アーティストらに「ネットに公開する方が悪い」という謎の上から目線で盗人を擁護するようなコメントが無くなると良いですね。
まとめ
特に漫画やイラストなどの盗用が目立っていますから、こうした根本を変えるシステムの登場はアーティストらにとって非常に心強いのではないでしょうか?
まだ詳細も明かされずハッキングなどで解除できてしまう可能性も否めないのですが、3社共同による強固なシステムの開発に期待が集まっています。