現地時間の10月24日昼頃に、事件当時Appleでトップ弁護士として活躍していたジーン・ダニエル・レボフ容疑者が正式にアメリカ政府から起訴されたと報じられました。
そんな彼の最高刑は懲役120年と言うとんでもないものなのですが、彼は一体何を行い政府に訴えられるような事態になったのでしょうか?
取り締まる側の犯行
レボフ容疑者は2008年にAppleへ入社し、彼がAppleに解雇される2018年までのおよそ10年間、会社法を対象としたトップ弁護士の1人でした。
彼はそのポジションの関係上Appleや取引企業の様々な情報を目にする機会があり、競合企業や投資家らが喉から手が出るほど貴重な情報を多数持つ存在となります。
彼はその入手したAppleを含む各企業の情報を元に、法律で禁止されている違法な株取引「インサイダー取引(内部者取引)」を何度も行い、1回の取引でおよそ227,000ドル(約2,460万円)の利益を不正に受け取り、およそ377,000ドル(約4,100万円)の損害を未然に回避したとみられています。
実は彼はこのインサイダー取引を取り締まる側の存在であり、本来であればこうした違法取引を行うものを訴えたり通報する立場なワケですから、長らく表面化する事がなかったようです。
アメリカでは日本よりもはるかにインサイダー取引への取り締まりや刑罰が強いそうで、レボフ容疑者は2011〜2016年の間に6度の大規模なインサイダー取引を行い、この6件それぞれについて求刑がなされています。
アメリカのインサイダー取引最高刑は懲役20年なのですが、レボフ容疑者をこれを6回犯しているので20×6=120年の求刑となり、有罪判決が降ればもう一生世には出てこれなくなるでしょう。
Apple側はレボフ容疑者がインサイダー取引を行なったとは認めておらず、政府側は6度のインサイダー取引があったと完全に対立している状態なっているようです。
もし有罪判決ともなればAppleにとってこの上ない不祥事となりますから、多くの投資家やAppleの株主らの関心を集めるニュースとなっているようです。
まとめ
Appleは2018年にレボフ容疑者のインサイダー取引について知らされ、体裁などの問題からすでに彼を解雇してしまっていますから、真っ向から否定しているものの内心ではレボフ容疑者がインサイダー取引を行なっていた事を認めているのかも知れませんね。
これはAppleの信用にも大きく影響する問題ですから、これから長期的な裁判問題として度々ニュースで取り上げられる事になるでしょう。