最近ではスマホのセキュリティシステムとしても活用されている顔認識システム、AppleでもFace IDという形でiPhoneに搭載されています。
AppleはFace IDのみならず、例えばApple Storeのセキュリティとしても顔認識システムを導入しているそうなのですが、なんとそれが未成年の誤認逮捕事件を発生させてしまったようです。
まだまだ未熟なシステム?
先日、Apple Storeで窃盗を犯した罪で逮捕されたオースマン・バーさん(18歳)が、Appleの拙い顔認識システムで誤認逮捕を引き起こしたとしてAppleを起訴し、慰謝料として10億ドル(約1,118億円)を請求しました。
訴えによれば、窃盗事件に全く無関係なオースマンさんが去年11月に自宅にいる所を逮捕され、やってもいない昨年6月の窃盗事件の対応に追われ重度の苦痛やストレスを味わう結果となったとの事。
この事件でオースマンさんを逮捕に踏み切った材料とは、Apple Storeで使用されていた防犯用の顔認識システムの検出結果と警察データベースの照合結果のみだそうで、「Appleのせいで誤認逮捕された」といっても差し支えないでしょう。
また事件当日に彼はマンハッタンのプロムナードに参加しており、距離にして200マイル(約321km)以上も離れたボストンのApple Storeで窃盗を働くのは不可能で、アリバイがあるにも関わらず逮捕されたそうです。
さらに、逮捕時に警察が持っていた逮捕状に添えられたオースマンさんとされる顔写真は全く彼と似ていなかったそうで、警察が逮捕に踏み切った事自体が疑問視されています。
オースマンによれば過去に顔写真の載っていない仮免許を盗まれているそうで、おそらくこの事件の犯人が過去に逮捕された際にオースマンさんの仮免許を身分証として提出し、別人の顔とオースマンさんの個人情報が結び付けられ保存されていたものと考えられています。
Apple Storeの顔認識システムがどの程度の精度かはわかりませんが、やってもいない盗難事件の犯人として誤認逮捕されるレベルというのはオースマンさんにしてみればシャレになっていませんね。
そもそも警察の犯罪データベース自体にも問題があるのですが、まだまだ顔認識システムは未熟なのかも知れません。
まとめ
今回の件についてAppleと関連するセキュリティ会社はコメントを差し控えているようで、暗に誤認逮捕の原因が顔認識システム自体にあった事を黙認しているように見えます。
オースマンさんにとってはただただ不運な事件としか言いようがないのですが、そもそも自分が知らない間に自分の名前で軽犯罪が犯されている事になっているというのも、なかなかの恐怖体験でしょうね…。