我々にとって「人間の体」とは、学校の「生物」や「保健体育」で勉強した通りの認識ですが、では「完璧な人体」と言われたらどのようなものを思い浮かべますか?
バーミンガム大学の解剖学教授がこの疑問に挑戦すべく、Twitterで「人間の変えたい部分」などを調査しながら「完璧な人体」の模型を製作したのですが…そこには目を疑うような「完璧な人体」が登場したのです。
既存生物のいいとこ取り
ヨーロッパでも有名なイギリスのバーミンガム大学に在籍しているアリス・ロバーツ教授は、人間の体を「すばらしい構造」と評価しながらも、「個々のパーツ設計には互換性のない多くの制約がある」としています。
では、そういった「個々のパーツ設計に互換性のある完璧な人体」とは一体どのようなものなのか?とアリス教授は疑問を呈し、Twitterで「人間の変えたい部分」を集めたり、生物学的に優れた生物のパーツを取り入れる事で、「理論的に完璧な人体」を設計する事にしました。
彼女は自身の知識と様々な意見、解剖学アーティストであるスコット・イートン氏の助けを借りて「理論的に完璧な人体」を設計、そして彫刻家のサンゲット・プロバカール氏に依頼して「完璧な人体模型」を作る事に。
制作の様子はYouTubeやBBCでも放映されており、6月14日からは科学博物館に展示されるに至りました。
では、彼女らが制作した「完璧な人体模型」とは一体どのような仕上がりになったのでしょうか…?
その完成した「完璧な人体模型」の画像がコチラ。
…控えめに言って宇宙人かゲームの新人類、あるいはクリーチャーの類に見えますね。
Twitterでは「出産」に関する問題が非常に多く挙げられたそうで、既存の出産プロセスでは無くカンガルーなど有袋類のものに変更したとの事。
他にも目は死角を無くすために網膜をタコのモノに、聴覚を拡張する為に耳は猫のように、内臓も合理的な構造に置き換えられ、足はダチョウをベースにした頑丈で脚力のあるモノに変更されています。
…理論的には最高の人体なんでしょうが、「この体になりたいか?」と言われれば多くの人が「No」と言うでしょうね…。
まとめ
模型からは見て取れませんが、肺や心臓などの臓器もより機能的で意図しない病気(冠動脈疾患など)が起こりにくい犬やモルモットのものに置き換えられているそうです。
とはいえ、完成した模型を見て彼女自身が悲鳴とも歓喜とも取れる声を上げている通り、思っていた以上に不気味というか奇妙というか、なんとも言えない形に仕上がってしまったのは言うまでもないでしょう。