先月、「Lアラート」のシステム訓練を全国で実施したというニュースが話題になりました。
他国から日本に向けてミサイルが発射された場合などに用いられる「Jアラート」は認知度が高く、知っている方も多いかと思いますが、「Lアラート」とは何なのでしょう?
今回は、Jアラートと混同しやすい「Lアラート」について紹介します。
Lアラートは災害などの地域に特化した情報を伝える
2018年5月23〜24日に、総務省が「Lアラート全国合同訓練2018」を実施しました。その際に「Lアラート」という名を初めて聞いた方も多いのではないでしょうか。
以前、北朝鮮がミサイルを発射したとき、けたたましい音がなったのは「Jアラート」。
では「Lアラート」とは一体なに……?違いを簡単にご説明しますね。
ちなみに「Jアラート」についての解説記事はこちら
▶いつどんな音が鳴るの?格安SIMでも大丈夫?知っておきたい「Jアラート」の仕組み
Lアラートとは
Lアラートは、災害など、住民の安心・安全に関わる情報を迅速に伝達・周知させることを目的としたシステム。
昔は「公共情報コモンズ」という名前で運用されていましたが、2014年にJアラートと一体になった運営を行うために「Lアラート」と名前を変えました。
もともと地デジのデータ放送で利用する事を念頭に整備されて来ましたが、携帯電話・スマートフォンの普及により、情報の発信対象を携帯電話にも拡充したものが今の状態。
2018年5月17日の時点で、46の都道府県で導入されています(福岡県は準備中とのこと)。
自治体が発信した災害情報を集約し、Lアラートを通してテレビ、ラジオ、携帯電話などの各メディアへの一斉配信できるのがメリットです。
一方で、緊急地震速報や武力攻撃などすぐに対応しないといけない危機的状況を伝えるのが「Jアラート(全国瞬時警報システム)」。
しかし、その違いが分からないという意見が多く見られました。似たような名前なので、ややこしいですよね。
へ?
JアラートからLアラートに変更したん?— 国産ゴマヒジキ (@hobatien) 2018年5月22日
それに携帯電話を利用している側からすれば、同じプッシュ配信の形で情報が配信されるので、混同されやすい状態。
というわけで、JアラートとLアラートの違いについて簡単にご説明を。
発信元が違う
まず分かりやすい違いは情報の「発信元」。
Lアラートは地方自治体、ライフライン事業者などが情報発信を行います。伝える内容は災害情報なので、その地方ごとの情報が発信されるわけですね。だからLはローカル(Local)のエル。
一方、Jアラートは総務省消防庁が発信しています。
どんな情報が送られてくるの?
Lアラートは地震、津波、土砂災害、集中豪雨、大雨などの災害が発生した場合に、対象の地域の担当者がシステムに情報を入力、それをテレビや対象の地域の携帯電話に向けて一斉に配信するという形となっています。
災害の内容や発生場所、避難情報などが、様々なメディアを通じて届きます。その後は記載されている指示に従って行動しましょう。
一方でJアラートは、「瞬時に緊急情報を伝達するためのシステム」。まさに北朝鮮のミサイル発射などが該当しますね。
どこで受信できるの?
iPhoneではキャリアをお使いの場合、
・ドコモでは「エリアメール」
・ソフトバンクでは「緊急速報メール」
・auでは「緊急速報メール」
を通じて受け取ることができます。設定アプリ内の「緊急速報」がONになっているか確認しておきましょう。
MVNO(格安SIM)と契約している場合でもiPhoneは基本的に問題ないようですが、不安な方はお使いのMVNOに問い合わせてみると安心かもしれません。Androidに関しては、機種によって対応できていない場合がある模様。
また、以下の防災関連アプリでも受信可能です。念のために、アプリも入れおくとより確実かもしれませんね。
・『防災情報全国避難所ガイド』
・『goo防災アプリ』
・『Yahoo! 防災速報』(対応自治体のみ)
まとめ
万が一、Lアラートを受信した場合には、避難情報などの内容に従って落ち着いて行動するようにしましょう。
Lアラートについてその仕組みなど更に詳しく知りたい方はマルチメディア振興センターが運営している以下のホームページをご覧下さい。
▶Lアラート | マルチメディア振興センター
防災アプリを入れておくと「Lアラート」のほか「Jアラート」や避難情報など他の通知も受け取る事が出来るので、一種類はダウンロードしておく事をオススメしますよ。