12月上旬、海外掲示板で「動作が遅くなったと思ったiPhoneはバッテリーを交換すれば元に戻る」という投稿がされたことにより、Appleは「バッテリーが劣化するとiPhoneが遅くなる」と正式に認める発表をしました。
その発表後、Appleは米ロサンゼルス在住のiPhoneユーザーにさっそく訴えられてしまったのですが…その訴訟騒ぎは世界でも広がりを見せつつあるようですよ…。
イスラエルでも訴えが
事の経緯をざっくりご紹介すると、
- とあるユーザーが「iPhoneのバッテリーを交換すると、動作が性能が大幅に向上する」と海外掲示板に投稿する
- そのユーザーの意見に賛同する人がチラホラ出てくる
- ベンチマークアプリ『Geekbench』のJohn Poole氏が実際に検証し「バッテリーが劣化している場合、iOSが意図的に動作を遅くしている」と推測できる結果を発表する
- Appleが公式に「バッテリーの劣化でiPhoneの性能は低下する」と認める
- これは以前問題になったiPhone 6s(や6、SE)のシャットダウン問題を解決するための措置であると説明される
というものでした。
Appleが正式に認めた直後、米ロサンゼルス在住のiPhoneユーザーがAppleに損害賠償を求める集団訴訟を起こし…。その言い分は
- Appleが行った措置はユーザーが所有するiPhoneの価値を損なわせるものである
- これはユーザーが望んだものではないし、同意もできない
- 新iPhone発売にあたって旧iPhoneの性能を意図的に低下させ、その事実を開示しなかったことは問題
というもので、まぁ確かに分からなくもないんですが…。
Appleが対応しなければシャットダウン問題は解決しなかったわけですし、リチウムイオンバッテリーの特性によるものでもあるので、この訴訟でAppleが負けることはないだろう…なんでも訴えるとはさすが訴訟大国アメリカ…と思っている方も多かったと思うのですが。
なんとこの問題でAppleを訴える動きはアメリカ以外にも拡大。今月25日、イスラエルのテルアビブにてAppleを相手取った集団訴訟が起きました。
「AppleはiPhoneの動作を遅くするという事実の公開を怠った」「ユーザーはAppleが(シャットダウンさせないよう動作を遅くするという)決定を下す前に、その情報を知る権利がある」と主張。
さらに「こういった情報をユーザーに知らせないのは、新しいiPhoneへの買い替えを促すためだ」として、5億シェケル(約162億1,630万円)を賠償金として求めているのだとか…。
こうしてアメリカ以外にも訴訟の動きが広がってしまうのはAppleとしては頭の痛い問題でしょうね…。
裁判の結果が出るのは相当先となるでしょうが、Appleは「バッテリー交換プログラム」等なんらかの対応に出るのか、それとも性能を下げる以外の解決策を講じてくるのか…この問題、まだまだ注目が集まります。