進化し続けるスマホのカメラ、今や下手に安いデジタルカメラよりも高性能だったり、編集機能がその場で使えるのでかなり便利ですね。
スマホカメラ故の問題点も多いのですが、Appleがその問題の中でも大きなものを解決する新しいレンズ技術を開発しました。
6枚の特殊形状レンズ
今や誰もが使うスマホのカメラ機能、ガラケー時代に比べれば精度やソフトウェアなども格段に向上し、カメラ業界に大きな打撃を与えているとも言われていますね。
一般的なデジタルカメラに比べて光学ズームが無い(または倍率が少ない)など決定的な違いもあるのですが、何よりカメラユニットの物理的小ささ故の問題というのもあります。
スマホ・デジカメ問わず撮影時に問題になる現象として「フレア」というものがあり、これは「強い光源のせいで本来暗い(黒い)はずの部分が白みがかる」もので、写真が全体的に白くボケたりしてメリハリのない写真になってしまう事が。
スマホのデジタルカメラユニットは物理的にかなり小さい為、少ない光量でも繊細な写真を取れるよう光に敏感なセンサーを採用しており、それ故に強い光に弱く、少し眩しいくらいで思った以上に全体が白っぽい写真になったという経験をした人も多いのではないでしょうか?
「フレア」を極力防止する場合、「レンズフード」や「ハレ板」と呼ばれる道具でレンズ内に強い光が入らないようにするのですが、当然スマホのカメラにそんなものを標準装備できるワケもなく、スマホ企業はレンズやセンサー、ソフトウェアでどうにかしなくてはなりません。
今回Appleは新たな特許「Six Lens Imaging Camera System」を開発し、この「フレア」をレンズの構造のみで解決してみせました。
ざっくり効果を説明するなら、「写真構図外からの光源をセンサー外に逃がす」仕組みで、正面に捉えたもの以外からの強い光を6枚の特殊なレンズによって誘導し「フレア」を防ぐというもの。
文章で説明してもなかなかわかりにくいので、特許に用いられている図に色を付けてみました。
写真に必要な光は「青」、フレアの原因となる余計な光を「赤」で塗ってみましたが、正面からの光は最終的にセンサーに反映され、余計な光は像の外側に集約されているのがわかりますね。
このレンズを生産しユニットとして成立させられるようになれば、iPhoneのカメラはまた1つより良いカメラへと近づき、色彩に富んだ鮮やかな写真が撮れるようになるでしょう。
まとめ
このレンズの説明では明記されていませんでしたが、太陽などを撮影した時に見える「光の玉の筋」みたいな現象、「ゴースト」もこの仕組みで回避できているように思えます。
カメラのプロにとっては「フレアもゴーストも使いよう」と言われてしまうんでしょうが、専門知識のない我々にとっては単純にそういった現象が入り込まない仕組みになっている方が、簡単に綺麗な写真を撮影できて嬉しいですね。