iPhone XはFace ID用のセンサーを利用し、ユーザの表情に連動する絵文字の新機能「Animoji」を発表、注目の新機能として世界中のメディアが報道しました。
そんな「Animoji」になんとAppleによる盗作疑惑が浮上、現在訴訟問題に発展している事が判明しました。
2014年に発表された『Animoji』
AppleがiPhone Xの新機能として大々的に公開した「Animoji」、Face ID用のカメラとセンサーを利用した新しい試みとして世界中で話題を集めました。
しかしそんな「Animoji」に盗作疑惑があり、しかもすでに訴訟問題へと発展しているようです。
日本に居を構えるアメリカ企業のemonster社は、2014年にApp Storeで『Animoji』というアニメーションテキスト(要はアニメ絵文字)を送信するアプリを公開しました。
翌年の2015年には商標登録も済ませ、ストアのアプリ名にも「TMマーク(商標を意味するマーク)」が併記されており、彼らはれっきとした「Animoji」という商標の権利保有者です。
ところがiPhone Xを発表するスペシャルイベントの少し前、同社に対して「Animoji」の商標を売って欲しいとThe Emoji Law Group社なる企業が持ちかけてきて断ったのですが、彼らはiPhone Xが発表された後に「Appleが我々の『Animoji』商標を秘密裏に獲得しようとしていた」と気づいたとの事。
そもそもApp Storeで公開されていて、かつ自社が新しく発表しようとしている機能名をApple側が把握していない訳もなく、そもそもこの名称自体もこのアプリから盗作したのかも知れない、と彼らは思ったワケです。
『Animoji』は1万8,000ダウンロード以上を記録しており、決して「売れなかったアプリ」というワケでもありませんし、今この時点でもApp Storeで公開されている事から、「Appleはこのアプリの存在も知らず、商標を秘密裏に獲得しようとした事もなく、何も知らずにiPhone Xイベントで発表した」というのは筋が通らないでしょう。
この問題については現地時間10月19日(木)に裁判所へ訴訟が行われており、今後Appleは「Animoji」の機能名を取り下げ、新しい機能名でリリースする事になるかも知れません。
まとめ
Appleがこのアプリ名をそのまま盗用した可能性も否定できませんし、The Emoji Law Group社を用いて「Animoji」の商標獲得を目論んでいた可能性もゼロとは言い切れません(タイミングもおかしい)。
なんだかんだ「アイディア」が売りの企業だったAppleが盗作を行ったかも知れないというこのニュースは、Appleファンに暗い影を落としたようです。