ARKitもリリースし以前から噂されている「ARメガネ」のリリースを待たれるApple、特許や開発情報のリークなんかもちらほら出ていますね。
ガジェットギークもApple製の「ARメガネ」に期待しているコメントなどが多数見受けられたのですが、どうもAppleが作るのは「ARメガネ」ではなく「ARゴーグル」なのかも知れません。
現段階の技術力では満足なものができない
先日AppleのCEOであるティム・クック氏はAR分野でのインタビューに対し、「現在の技術では満足のいくApple製のARメガネは作れない(意訳)」と語りました。
かねてよりAppleが「ARメガネ」の技術開発は特許の取得などで明らかだっただけに、この発言はガジェットギークにとって肩を落とす発言です。
実際世界中の企業がARメガネを発表・発売しているのですが、ものすごく高価だったり、普段使いのメガネとしてはあまりにもゴツかったり、操作性に難があったりなど、まだまだ技術的に成長途中の分野である事がわかります。
上記のクック氏の発言は要するに、iPhoneやApple Watch並みに売れるような商品力を持った「ARメガネ」は現状無理で、技術が充実し部品類(特にレンズのOLEDディスプレイ)が高品質かつ低価格になれば、Appleも商品としてリリースすることはやぶさかではない様子。
その一方でインタビュー後日、Appleは「VRヘッドセット」に関する新しい特許を取得しました。
これは今年の4月に提出された「画像の動的修正」というソフトウェア寄りの特許で、ユーザの動きに合わせてVR表示するものを「実際にそこにあるよう歪ませる」技術です。
VRは左右で対象に微妙な表示のズレを作る事で立体感を出すのですが、Appleはこれに「目で捉えた時と同じように歪ませる(眼球の丸みを反映させる)」事で、より現実感を増す事が目的の様子。
現段階では技術的に「ARメガネ」は無理だがどうにかそれに関するガジェットをリリースしたい…そんなAppleは「ARメガネ」より先に「ARゴーグル」をリリースするつもりなのかも知れませんね。
まとめ
「ARメガネ」分野の技術は確かに面白いのですが色々と一般向けではない点が多く(ゴツい、高いなど)、比較的安価に作る事ができ技術もかなり成熟している「VRゴーグル」、またはその技術を応用した「ARゴーグル」の方が現実的ではありますね。
クック氏はインタビューで「私たちは人々をラット(実験動物)にする気は無い」とも述べており、試作品的商品でユーザの反応をみるようなつもりはなく、あくまで完成された商品をリリースしたい、という事を強調していました。