今月1日、米ラスベガスで起きた惨事。アメリカ史上最悪の銃乱射被害となってしまいました。
事件現場にいた多くの人たちがTwitterやFacebookなどのSNSにリアルタイムで様子を投稿していましたが、これに対し地元警察が「SNSに投稿しないで」と呼びかけていたそうなんです。
一体その理由とは?そしてもし日本でこのような呼びかけが行われたのにも関わらず無視した場合、投稿した人はどうなるのでしょうか?
警察「事件現場の様子をSNSに投稿しないで」
今月1日に発生したラスベガス銃乱射事件。犯人はホテルから隣接するコンサート会場に向けて銃を乱射し、死者59人負傷者500人以上というアメリカ史上最悪の銃乱射被害となってしまったのは、ニュースでも伝えられている通りです。
コンサート会場には3万人以上の観客がいたことや、全米でも有数の観光地という場所だったため事件現場付近には多くの人がいました。
「近づかないように」という警告もあったかもしれませんが、現場にいた人々の中にはTwitterやFacebook、InstagramなどのSNSに、リアルタイムで事件の様子を投稿している人もいたそう。
それに対しラスベガス警察は「事件現場の様子をSNSに投稿しないで」と呼びかけていたそうです。
「警察の位置情報を生中継やSNSに投稿しないでください。警官らが危険にさらされる可能性があります。」
Please do not livestream or share tactical positions of our officers on scene. This may put emergency responders in danger.
— LVMPD (@LVMPD) 2017年10月2日
その理由は、警察や特殊部隊の位置を犯人に知られるのを防ぐため。SNSが普及してからというもの、事件の容疑者が警察の戦略を知るためにSNSを使うことも珍しくないそう。
確かに一般人がふと投稿した写真に警察が知られたくないシーンが映ってしまわないとも限らないですし、これは納得の理由ですね。
ちなみに2015年11月仏パリで起きた同時多発テロでは「容疑者がベルギーにいる」とされ、ベルギーの首都ブリュッセルは厳戒態勢に置かれていましたが、そこでもベルギー警察が「警察の動向をSNSに投稿しないで」と呼びかけていたそうです。
この呼びかけに対し多くの人が、事件とは関係のない猫の画像を「#BrusselsLockdown(ブリュッセル封鎖)」というハッシュタグ付で投稿。容疑者が簡単に重要な情報にアクセスしないよう協力する動きがあったそうですよ。
#BrusselsLockdown pic.twitter.com/idakuwhYlC
— Nazi Fighter (@mikehaynes28) 2015年11月30日
Hide yourselves ;-) #BrusselsLockdown pic.twitter.com/q1eqvD4hSn
— David De Becker (@iceqbes) 2015年11月29日
Beeld van de Week: #BrusselsLockdown #Beeldvandeweek https://t.co/Voy5gq8Ulc pic.twitter.com/uj7Yd4w249
— StedelijkMuseumBreda (@stedelijkbreda) 2015年11月27日
これについて警察は「捜査への協力に対しユーザーに感謝したい」と述べ、その後キャットフードの画像をツイート。
Voor de katten die ons gisteren geholpen hebben… Alsjeblieft! #BrusselsLockdown pic.twitter.com/QlwY9EtzEZ
— Federale Politie (@federalepolitie) 2015年11月23日
どうやらこういった動きは警察にとってもありがたかったようですね。
さて日本では幸いにも銃乱射事件やテロなどは今のところ起きていませんが、もし万が一発生し、SNSへの投稿を自粛する呼びかけがあったとしたら…そしてもしこれを無視してSNSに投稿してしまったとしたら…投稿者は何らかの罪に問われたりするのでしょうか?
弁護士ドットコムによると、考えられる罪としては
- 公務執行妨害
- 偽計業務妨害罪
- 犯人隠避罪
があるそうですが、実際に罰せられる可能性は低いよう。
あくまでも「呼びかけ」「自粛のお願い」ということなので罪に問われる可能性は低いということですが、犯人に警察の動向を知られて一般人が得をすることはありませんし、もし事件現場付近に遭遇してもSNSへの投稿は止めておいたほうが良さそうです。