圧倒的な安さで徐々にユーザーが増えてきているMVNO(格安SIM)。
先日もiPhone 8/8 Plusをキャリアで購入し利用した方が安いのか、それともApple Storeで購入しMVNOで利用した方が安いのか2年間の総額をご紹介しましたが、やはり安さではMVNOに軍配が上がりました。
そろそろ乗り換えてみようかな〜という方も多いかと思いますが、もしかしたら次期iPhoneでMVNOは利用できないかもしれません…!
次期iPhoneはSIMスロットなし?
今回の話の発端は、iPhone 8/8 Plus、iPhone Xなどの情報を発表前リークしてきたBenjamin Geskin氏によるツイート。
振り返ってみると、同氏のリークしてきた情報はなかなかの正解率でした。
例えばiPhone Xの上部に切り込みが入ることを5月の時点で指摘していたり、
The source confirmed that top will look like this. #iPhone8 pic.twitter.com/8fqscIJz9r
— Benjamin Geskin (@VenyaGeskin1) 2017年5月9日
iPhone 8/8 Plusの発売日は9月22日と明かしていたり。
O2 have confirmed to staff members that iPhone 8 release date is 22nd September in stores. pic.twitter.com/n1dfWl2S66
— Benjamin Geskin (@VenyaGeskin1) 2017年8月30日
そんな同氏が今回気になる情報をツイートしたんです。
それは「AppleはSIMスロットのないiPhoneをテストしているよ(eSIM技術)。これで新技術やバッテリーのためのスペースが空くね(※意訳)」というもの。
Apple is already testing iPhone with no SIM Card slot. (eSIM Technology)
More space for tech and battery
— Benjamin Geskin (@VenyaGeskin1) 2017年9月28日
SIMスロットとは、SIMカードを入れる部分のこと。ここですね⇓
SIMカードはスマホ(携帯電話)で通信するために必要なもので、これを端末に挿入して初めて通信が可能になります。キャリアを乗り換えた時など、このSIMカードを店員さんや自分で入れ替えたりしますよね。
しかしBenjamin Geskin氏は「SIMカードを入れるためのSIMスロットがないiPhoneをテストしている」と。
では一体どうするのかというと「eSIM」を取り入れる可能性があると言うんです。
eSIMとは?
eSIMとは、遠隔操作でキャリアを切り替えられるSIMのこと。
これまで乗り換えた時は手動でSIMカードを入れ替える必要がありましたが、eSIMなら手間も時間も必要なく、簡単にリモートで切り替えることが可能。
さらに取り出す必要がないので端末に埋込んでおけばOK、スロットのスペースも要らないので、その分バッテリーだったり新しい技術を詰め込むことができるという至れりつくせりなSIMなんです。
実際にAppleはiPad ProやApple Watch Series 3でこのeSIMを採用しているので、iPhoneにも…となってもまったく不思議ではありません。
手間も時間も要らないならいいじゃん!ぜひeSIMにして!と思ってしまいますが、いくつか問題が…。
それはMVNO(格安SIM)を使えない可能性があるということ。
MVNOはeSIMに対応していない?
MVNOは大手キャリアから回線を借りてサービスを提供しているのですが、SIMの情報を管理するデータベース「HLR/HSS」という設備の利用は開放されていないんです。
ちょっと内容がややこしいのですが簡単に言うと、この「HLR/HSS」が使えないと独自にSIMカードを発行できない=eSIMに対応できない(※)ということのようで…(;´Д`)
※参考:ケータイWatch
ただ、総務省はキャリアに対し「HLR/HSS」をMVNOに開放するよう促しており、MVNOで人気の「IIJ」は「HLR/HSS」の利用を開始=eSIMの提供が可能になりました。
「それなら他のMVNOも続きそうだし、問題ないじゃん!やったー!」と思いたいのですが…
「HLR/HSS」以外にも問題が。
eSIMに対応していても…
eSIMを採用しているApple Watch Series 3は現時点でドコモ・au・ソフトバンクの回線のみで利用が可能なわけですが、「IIJ」によると
- Appleが標準的なeSIMの技術を使っているなら対応できる可能性はある
- しかしAppleが「大手3社以外は使わせない」と非標準的な技術のeSMを実装している場合は、対応は難しい
と述べているんですよね…(発言はApple Watch Series 3発売前のもので、発売後の現在「未対応」となっています)。
Appleが標準的なeSIMの技術を使っているのであれば対応の可能性もあるかと思いますが、「ドコモ、KDDI、ソフトバンク以外は使わせない」というポリシーで非標準的な技術実装をしてきた場合は、弊社のフルMVNO後のeSIMでのサポートも難しいかと思います。
— IIJmio (@iijmio) 2017年9月13日
せっかくeSIMに対応しても、Appleが「大手3社以外には使わせないよーん」としてしまえばそこまで、ということのようです。
Benjamin Geskin氏の情報が正しければ、すでにテスト中=来年発売の新iPhoneで採用されてもおかしくはないでしょう。
果たして本当にeSIMになるのか、そしてAppleがApple Watch Series 3のように大手3社以外に使わせないeSIM技術を実装するのか、MVNOユーザーにとっては動向が気になるところですね…。