こんにちわ、Hikaru Sanoです。
今や物乞いすらも電子決済を利用するようになった中国、世界でも屈指の電子決済大国となっています。
そんな中国で最大のシェアを誇る電子決済サービス『アリペイ』がSNSアプリを公開したのですが、なんと中国での「格差社会問題」を浮き彫りにしたような作りで批判を呼んでいるようです。
個人情報を基に決められるセサミ
中国で最大のシェアを誇る電子決済サービス『アリペイ』は現在、『サークルズ』と呼ばれるSNSアプリを展開しています。
このSNSは『アリペイ』での支払い状況の他、身元情報や社会的地位、オンライン上での行動を基に「セサミ」という信用ポイントでユーザを評価しているのですが、これが「格差社会問題」にまで発展しているとの事。
「セサミ」は言ってしまえば「支払い能力の評価」に近い数値で、『サークルズ』ではこの数値を基にユーザグループの入会可否や各種行動可否を決定しています。
簡単に言えば、「特定以上の支払い能力がなければSNSに参加できない」状態であり、SNSなのにその行動が実質収入によって制限されているワケ。
また実質収入によってサークルの入会可否や行動可否が決定するため、この機能を利用した「売春斡旋」とも指摘され閉鎖にまで追い込まれたサークルなんかも存在していました。
そのサークルでは
- 女性しか投稿ができない
- 男性は基本「投稿を読む」「いいねをつける」「チップ(電子マネー)を払う」しかできない
- 特定以上の「セサミ」保有男性に限り投稿にコメントがつけられる
といった条件が設定されており、女性は「金持ちの男を手にいれるため」にセクシーな写真や投稿を、特定男性は「収入を利用して女を手にいれるため」にチップを支払ったりコメントをつけるといった、出会い系サイトのような仕組みが横行していたとの事。
さすがに中国政府がすぐにこのサークルを閉鎖に追い込んだワケですが、中国のネットユーザからの批判は激しく、「恥知らず」「ひどいアプリで話にならない」「社会的地位自慢と女性商品化の温床」など酷い言われようです。
また『サークルズ』に入力された社会的地位情報や各種個人情報、支払い能力(実質的収入)がビックデータとして悪用されるのでは?といった懸念の声も多いそう。
『アリペイ』はこれらについてWeibo(中国版TwitterのようなSNS)で謝罪文を掲載しましたが、ほとんどのサークルの入会可否などに実質的収入制限が設けられている事についての批判を広げるだけの結果になっているようです。
まとめ
いかがでしたか?
自分の支払い能力や社会的地位がそのままSNSに反映されるとか、個人情報が表示される事を考えても大変危険なSNSかと思います。
このアプリをリリースした『アリペイ』はそれらの問題を問題とも認識していなかったのでしょうが、それこそが中国での「格差社会問題」がいかに深刻なのかを物語る結果となってしまいました。