こんにちわ、Hikaru Sanoです。
終わらないAppleとQualcommの特許抗争、現在は双方ともリベートやロイヤリティの支払いを停止し緊迫した状態が続いています。
そして遂にQualcommは、米国国際貿易委員会(ITC)に制限排除命令(LEO)を発行するよう要求しました。
iPhoneだけの問題ではなくなってきた
今年5月、QualcommはITCにiPhoneのアメリカ輸入禁止を訴える準備をしているとの情報が各所で報じられました。
事の顛末は下記の通りです。
- 韓国公正取引委員会がQualcommに独占禁止法違反として制裁を計画
- QualcommはAppleが裏で糸を引いていると憶測
- QualcommがAppleへのリベート支払いを拒否
- Appleは支払われなかったリベートについて賠償金請求
- 問題が長期化しているためAppleはロイヤリティの支払い中止も通告
- QualcommがITCにiPhoneのアメリカ輸入禁止を訴えると報じられる
事の発端がQualcommの憶測からスタートしており、もし韓国の公正取引委員会の件にAppleが絡んでいなければ勝手に勘違いして問題を大きくしている事になります。
そして現地時間の7月6日、遂にQualcommがITCに制限排除命令(LEO)を発行するよう要求したと報じられました。
ITCがQualcommの要求を承認すれば8月頃に裁判所命令でLEO発行が妥当かどうかの調査がスタート、妥当だった場合早ければ来年初頭にも正式発行される可能性があります。
そして今回のこの訴え、なんと5月に報じられた内容よりもかなり過激なものになっており、そのまま敢行されればApple存亡の危機にまで発展しかねないのです。
QualcommがITCに要求したのは「iPhoneのアメリカ輸入禁止」に加え、特許侵害製品の
- アメリカでの販売禁止
- アメリカ輸入禁止(実質的世界販売中止)
- 広告禁止
- デモンストレーション(WWDCなど)の禁止
- 倉庫保管の禁止(在庫の強制廃棄処分)
で、実行された場合iPhone以外のApple製品も、ほとんどが実質的販売禁止&強制廃棄処分になる事に。
Qualcommの副社長であるドン・ローゼンバーグ氏は、「Qualcommの発明(特許)はiPhoneの中枢を担っており、(中略)AppleはそれらがiPhoneにとって不可欠である事を忘れている」とし、Appleへのリベート支払い拒否を棚上げして「韓国公正取引委員会の制裁はAppleが裏で糸を引いている」というスタンスを崩さない姿勢のようです。
韓国の公正取引委員会が決めた事にAppleが絡んでるとは到底思えない(そもそも韓国主力企業のライバル会社)ですし、自社のリベート支払い拒否で発生した賠償金請求とロイヤリティ支払い拒否に対してこの行動というのは、企業としてあまりに幼稚な行動に見えますね。
まとめ
いかがでしたか?
前回の記事でも話しましたが、そもそも事の発端がQualcommの憶測からスタートしており、韓国の公正取引委員会とAppleが関係なかった場合は「Qualcommが勘違いで支払い拒否してその制裁に逆ギレしている」という意味不明な状態になります。
そもそもiPhoneが世界中で販売できなくなれば、サプライヤーであるQualcommもタダでは済まないワケですがその辺もちゃんと加味しての行動なのでしょうか…?