種によっては絶滅の危機が叫ばれているマグロがいることをご存知でしょうか。
そんなマグロの状況を憂いた1人の開発者が、マグロを育成するゲームアプリを制作しました。その名も『まぐろの神様』。とってもカジュアルな雰囲気で、時間がないときでも気軽に楽しめる育成ゲームです。
今回は開発者の気持ちと、このゲームアプリの紹介をさせてください……。
稚魚からマグロを育てるゲーム
『まぐろの神様』はマグロを育てる放置育成ゲーム。
稚魚のマグロにエサをやり、成魚へと成長させます。エサをパクつく稚魚がかわいいー!
……いや可愛いんですけど、マグロの現状を心配してマグロ育成ゲームを作ったってどういうことなんだろう??
と普通に疑問だったので、単調直入に開発者に聞いてみました。
──どうしてマグロを育てるゲームを作ろうと思ったんですか?
開発者:日本人はマグロに愛着や思い入れがあり、テレビや雑誌など各メディアでも取り扱われるケースがとても多いです。しかし近年マグロ属8種のうちの多くが絶滅危惧評価を受けるほど資源の減少が進んでいる状況。
絶滅が危惧されている中、世界のマグロ漁獲量はまだ高水準で推移しているんです。これだけ危機が叫ばれている状況を少しでも知ってもらい、色々な形でマグロに注目が集まればいいなと思って制作しました。
──マ……、マ グ ロ へ の 愛 が 深 い
──マグロの生態や種類などにも詳しいのでしょうか?
開発者:そうですね、専門家ほど詳しいというわけではありませんが、普通の人よりはだいぶ詳しいと思います。
例えばこの種類⇓(本マグロ、キハダマグロ、ビンチョウマグロ、メバチマグロ)を初見で全部見分けられる程度には詳しいです。
──(あ、生魚をヒレとか模様で見分けられるのかと思ったら切ったあとなんだ)
──やっぱりマグロが大好物ですか?
開発者:いえ、イカが好きです。
とのこと!!
マグロを育てるゲームだと思うじゃん?
マグロへの愛がたぶん伝わったところで、『まぐろの神様』の紹介に戻ります。
馴染みやすい放置育成ゲームで、時間を気にせずゆっくり遊べるのがいいところ。まずはマグロの稚魚を産むため、親となる2匹のマグロを配合します。すると稚魚が誕生!
画面に出てくるエサ(小魚とかエビとか)をパクついてる様子を見ているだけでOKです。かわいい。基本的に放置でどんどん進むのがラクですね。
さらに困った時の神頼み!「マグロ大明神」という神様がおりまして……、タップでお祈りするとエサが増えたりマグロのステータスが上がったり……ランダムで何かが起こります。
ただし、いいことばかり起こるとは限らないのが世知辛いマグロの世の中。神様もたまにはミスることもw 祈ってみてのお楽しみです。
そうして時間が経つと成魚になるのですが……、
成魚になった途端……、突然の変身!全62種類いる個性豊かなマグロのどれかに成長します。
つまり、うまいこと配合して全62種類いる成魚マグロをコレクションする、というのがこのゲームの醍醐味というわけ。コレクター魂が燃える。
で、コレクションする成魚なんですけど、これがなかなか個性的というか、もはや個性しかないです。
最初はビンチョウマグロ、キハダマグロなんかが出現。これはまだわかる。
配合次第では、ネコマグロ、ゾンビマグロが。
コミカルでかわいいです、今のところは。
進めるとカナヅチマグロ(死んだふりをしているマグロ)、マグロモドキ(マグロになりたかったサバ)が!……んんん?サバ?
食べられる一歩手前〜〜!
おい、マグロはどうした。
漁獲規制されるほど進んでいるマグロの乱獲問題。特に日本はマグロ大国で、世界の消費量の5分の1を消費しているのだとか。
またマグロは生態があまり知られておらず、外部からの刺激にもデリケート、そのうえ共食いするし長距離を泳がせる必要があるし、ということで完全養殖が非常に難しい魚です。近畿大学水産研究所が32年もの歳月をかけて2002年に完全養殖を成功させたことは、大きなニュースになりました。
しかし現状はいまだに良くならず。このまま進むと、マグロの刺し身や寿司が食べられなくなる可能性もゼロではありません。でも急に何かをするのは難しいと思うので、さしあたってはゲームでもしながらいなくなってしまったマグロたちのこと、時々でいいから……思い出してください……。