こんにちわ、Hikaru Sanoです。
度々その分野での有名企業などを巨額出資で買収する事があるApple、この度は2億ドル(約226億円)でLattice Dataという会社を買収しました。
この企業は「ダークデータ」と呼ばれるデータの解析・処理を専門にしている企業のようなのですが、そもそも「ダークデータ」とは一体どのような物なのでしょうか?
金食い虫なお宝の山
この度Appleに買収されたLattice Dataはカリフォルニア州に拠点を置き、スタンフォード大学が研究していた「DeepDive」という統計的推論を導くためのプラットフォームを商業利用する企業。
ちょっと分かり難いですが、ざっくり言えば「ダークデータから何らかの意味や傾向等を見出す」という結構ふわふわした事を行っています。
似たような言葉に「ビックデータ」がありますが、「ダークデータ」は「現状有意性が低く処理できていないが破棄する事もできない金食い虫の巨大なデータ」と定義されています。
データの収集をしているのは良いけど処理できないから意味がない、でもせっかく収集したデータを捨てるのは惜しい、しかし維持費(サーバ管理費など)がどんどん膨れ上がって困る、信じられないほど巨大なデータって感じですね。
iPhoneやiPad、Macを利用する際に「診断と使用状況」という項目を自動送信するかどうかという項目がありますが、Appleのダークデータはこの「診断と使用状況」で集積しているデータの一部でしょう。
バグレポートやクラッシュレポートは判別して利用されているはずですから、その他の「診断データ」や「使用状況データ」といった特異性のないデータ群は解析など行われず、日々とんでもない量を保存し続けていると考えられます。
このデータは途方もない量でとても人的に処理できるものではなく、処理して有効活用するにはLattice Dataが運用している「DeepDive」のようなプラットフォームが必要になってきます。
Appleはこれらのデータを外部に漏らさない為、また独自のプラットフォームを開発しデータを解析、今後のソフトウェアやハードウェア開発にフィードバックしていく為に2億ドルもの巨額を投じたのではないでしょうか?
「ダークデータ」は企業にとって「どんどん膨らむ金食い虫」であると同時に、「解析できれば宝の山」でもあります。
Appleがどのような結果を導きフィードバックしていくのかはまだわかりませんが、ユーザから送信された情報を元により使いやすい端末やソフトウェアがリリースされるのが今から楽しみになりますね。
まとめ
いかがでしたか?
今回の件では「データ解析に2億ドル支払った」とも取れる行動でしたが、もしかしたら年間維持費がそれ以上の額になっている可能性もありますし、Appleもデータ破棄か有効利用かかなり悩まされたと思います。
iPhoneが発売されてから10年以上のユーザデータ、きっと途方もないサイズになっているんでしょうね。