こんにちわ、Hikaru Sanoです。
2016年から日本でも利用できるようになったApple Pay、長らく「iPhoneにはおサイフケータイがない」と言われ続けていましたが、それに近しいサービスとあってリリース当時はかなり話題になりました。
しかし普及すれば問題も表面化するもの、北米の大手デリバリープラットフォーム「Delivery.com」から、なんとApple Payが支払い手段から削除される事態が発生しました。
Apple Payの仕様の問題
「Delivery.com」は北米の38都市で利用できるデリバリープラットフォームで、食料品や酒類などの注文配達、レストランなどの予約などが行える大手Webサービス。
ユーザ数は100万人を超え、12,000以上の店舗が加盟している有名なサービスです。
そんな大手Webサービスが突然、支払いの選択肢に利用できたApple Payを削除し大きな話題を呼びました。
この削除はこれまでにApple Payを利用していたユーザにメールで通知され、「Apple Payの無期限利用停止」とその経緯が記されていたとの事。
Apple Payが支払い方法から削除された原因は「洗濯サービスの支払い問題」で、「Delivery.com」はApple Payを利用された場合サービスの保証ができず、この問題が同社の努力ではどうにもならないと説明。
ここからは推察なのですが、洗濯サービスはユーザが洗濯物の重量をあらかじめ入力し、それを業者が引き取り洗濯しユーザへ届けるというサービスなのですが、この事前の重量入力に多少なり誤差があった場合「事前に表示された価格」と「実際に請求された価格」に差が発生、Apple Payでは処理できなくなっている事が予想されています。
例えばクレジットカードの場合、事前に表示された額はあくまで「目安」であり、契約が成立した後に実際にかかった料金が多少上下してもその価格を引き落とす事が可能です。
しかしApple Payはその時に表示された「事前に表示された価格」でしか決済を許可する事ができず、「実際に請求された価格」が低かろうが高かろうが引き落とす事ができなくなり、洗濯を担当した店舗には「未決済」状態で仕事をする事になってします。
これはクレジットカードの不正利用のような行為ができない「ユーザ的には優れた機能」なのですが、サービス提供者にとっては「扱いにくい決済機能」になってしまっているんですね。
この問題は「Apple Payのみ支払いを後払いにし別の仕組みページを設ける」事で解決できるでしょうが、料金の踏み倒しや「Delivery.com」側の開発費用などを考えると、「Apple Payの無期限利用停止」は企業的に妥当な判断と言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
Apple Payはこういったセキュリティ面で非常に強固なのですが、それゆえに自動決済などができず導入を見送っている企業も少なくありません。
Appleには今後の普及のためにも、Apple Payに新しい決済モード(決済予約し多少上下しても引き落としを許可するモードなど)を開発・展開して欲しいところですね。