こんにちわ、Hikaru Sanoです。
スマホでも書籍が見れる時代になり、Kindleを始め電子書籍を利用している方も多いと思います。
スペースも取らず汚れや劣化もしない電子書籍ですが、どうやら法的には実物の書籍の方が安全な可能性が高いようです。
データは「所有」できない
筆者はKindleで様々な書籍を購入し、集英社や講談社の専門アプリで漫画の単行本などをよく購入しているのですが、それ以前は1,000冊を超える蔵書の保存スペースに悩まされていました。
しかし電子書籍ならデータなので物理的なスペースは必要なく、ストレージとアプリさえあればいつでも好きな本を好きな時に読む事ができ、大変便利に思っています。
実売の本とほぼ同価格とはいえ買いに行く手間や保存スペースが不必要、汚れたり劣化しない事は大変喜ばしい事なのですが、どうやら法的にとんでもない落とし穴が…。
Kindleなどで手にいれた書籍を筆者は「本のデータを購入した」と考えていたのですが、なんと法的には「データをダウンロードする権利」を購入していただけで、データを購入しその所有権を得たワケではなかったのです。
ちょっとわかりにくいですが、「データの所有権を手にいれた」ワケではなく「データをダウンロードする権限を手にいれた」だけなので、サービス提供者側の義務は「データのダウンロード」ができる状態を維持する事のみ。
しかもこの義務は大抵未来永劫約束されたものではなく、提供者が倒産したりサービスを撤退させた場合は履行しなくても良い、といった記述が利用規約に記されています。
例えばiPhoneでKindleを利用していて、Amazonが次期iOSに対応しないと宣言した場合、「今まで買った電子書籍の為にiOSをアップデートしない」か「電子書籍を全部諦めてiOSをアップデートする」の2択を迫られる事になります。
またKindleがサービスを全て撤退すると宣言した場合、以降続刊などは配信されませんし、再ダウンロードもできなくなってしまいます。
そして私たちはサービス提供者に文句を言う権利がなく、主張できる「所有権」もなく、ただただ手元にあるデータをどうにか見られる状態を保つしか電子書籍を守る術がありません。
実物の本は劣化しますが物理的に存在している限りずっと見られるので、もしかしたら電子書籍よりも実物の本の方が長期的に見て安全なのかも知れませんね。
まとめ
いかがでしたか?
データに所有権が認められればこう言った問題は多少なりとも解決するんでしょうが、その性質が物理的に存在するものとは異なり簡単に複製できたりするので、可能性は低いでしょう。
ちなみに筆者は、以前講談社が提供していた「森博嗣 S&M series」というアプリで小説を購入していたのですが、アップデートを打ち切られいつの間にか全部見られなくなっていました…。