ども!ともぞうです。
テレビCMで見かけたり、家電量販店やイオンなどでの取り扱いもあって、格安SIMの存在ってだいぶ認知されてきましたよね。
それに加えて最近はキャリアの月額料金が高い!なんてよく言われることもあり、格安SIMへの乗換えがどんどん進んでもいいように思えるのですが、まだまだ低いのが実態。
ではなぜ、このような状況でも格安SIMの普及が進まないのかその理由を考えてみました。
まだまだ利用率の低い格安SIM
格安SIM(MVNO)にすれば月の支払いが安くなる!だから格安SIMがおすすめですよー!と言われても、価格.comが先日発表した調査結果によれば、その利用率は12.1%
これが多いとみるか少ないと見るかですが、これだけ格安SIM(MVNO)に各社が参入して家電量販店やイオンでも契約できるようになったことを考えると私は正直少ないなと思います。
最近ではテレビCMをやるところも出てきていますし、少なくともそんなに詳しくない人でも名前くらいは知ってると思うんですよね。
それで利用率が12.1%ですから、やはり格安SIMへの切り替えってハードルが高いと思うんですよ。
じゃあ何が原因なんだろうと改めて、本記事ではその理由を考えてみました。
理由その1 鉄壁の2年縛り
なんだかんだ言ってほとんどの方が「キャリア(ドコモ / au / SoftBank)」と「2年縛り(2年契約)」で契約してiPhoneを使ってますよね。
そうなるといくら格安SIM(MVNO)で月額量が安くなるよ〜って言われても、おいそれとは移れないのが本音。
だって2年未満で解約しちゃうと契約解除料が発生しちゃいますし、MNPするにも費用がかかります。
その解約からMNPによる転出までの費用をざっと並べると、以下のように。
- 契約解除料(解約金): 9,500円
- MNP転出手数料: 2,000~3,000円(キャリアで違いあり)
- 契約事務手数料: 3,000円
合計すると14,500~15,500円で、これに抵抗がある人も多いんじゃないでしょうか。
さらにこれに加えて心理的抵抗が大きくなると思われるのが、2年未満で解約した場合の端末代の支払い。
一括で払ってしまうか、継続して分割支払いにするかは選べるのですが、当然のことながら残った端末代は払い続けなければなりません。
ここで出てくるのがキャリアの使っていた、「実質負担金」と言う魔法の言葉。皆さんも契約する時に、月々の端末代は毎月割があって、実質○○○円になりますって聞いてますよね。
本来、毎月割は通信量に適応される割引なのですが、このような表で端末代が割り引かれるように見せているので、「キャリアで2年縛りで契約していれば、端末代が安くなっている」と認識してしまっている人も多いハズです。
例えば今まで実質855円だったのが、MNP後の端末代の支払いは3,300円になるんですよ。そうすると高くない?と感じてしまうこともあるんじゃないかなと。
※端末代の例はiPhone 7 32GBモデル、auの場合を例としています。
ということで、キャリアの2年縛りというのは解約金・端末代金に対する意識などを含め、うまーく作られてまして、だいたいの人が「乗り換えるなら2年縛りが終わるタイミングだな…」となっちゃうという訳ですね。
さらに家族全員で乗り換えようなんて思うと、家族全員の2年縛りタイミングがバラバラなんてこともありえますし、ドコモなどのデータプランを家族でシェアなんてしていたら、もうカオスですよ。
理由その2: ドコモユーザー以外はまだ選択肢が少ない
さて理由その1で上げた2年縛りに関して、ちょうど近々縛りが終了するとしましょう。
じゃあそういう人はさくっと格安SIM(MVNO)に移れるかと思えば、まだまだ壁はあるんです。
というのも、格安SIM(MVNO)業者のほとんどが採用しているのはドコモ回線で、「SIMロック解除などを考ず、そのまま使える端末」を持っているのはドコモユーザーだけなんですよね。
auはmineo、UQモバイル、IIJmioと少しずつ増えてきていますが、ソフトバンクは3/22開始の日本通信のみで、料金やサービス面での選択肢が少ないと言うのが難点。
そうなるとauやSoftBankユーザーが選択肢を広げようと思ったらSIMロック解除しかないのですが、これに対応しているのは「2015年5月以降に発売された端末(iPhone 6s以降)で、なおかつ180日以上経過している場合」のみ。
そんなこともあって実質、さまざまな格安SIM業者から選んで乗換えしやすいのは「2年縛りが終わったドコモユーザー」だけで、あとはこれから徐々にauも乗換えやすくなるかなという感じでしょうか。
※Apple StoreでSIMロックフリー端末を買う、中古でドコモ端末を買うという選択肢もないことはないのですが、少数派だと思うのでここではあくまで使っている端末を使う前提として省略。
理由その3: どれを選んだらいいのか分からない問題
はい、それでは理由1〜2の2年縛りもクリアして、端末もそのまま格安SIMに使える状態だったとしましょう。
ここで立ちはだかるのが、「どの格安SIMを選んだらいいのか分からない問題」。なんと現在、MVNO業者は、600社もあるんですって。
そうなると、もう値段で選んじゃっていいのか?実際の速度はどうなんだろう?などなど気になることはいっぱいある訳です。
その点、大手のキャリアだとドコモ・au・ソフトバンクのどれかを選んでしまえば、あとはプランの問題だけ。一昔前なら地方ならドコモがやっぱり強いなどの理由から、選ぶのも簡単でしたよね
それがもう規模の大小はあるものの600社もあった日には、どの業者を選んだらよいのかなんて普通の人なら判断なんてできません。
まだ大手キャリアならショップに行ったり、周りに必ずどこかしなら契約している人がいるので、「電波どお?とか速度は?使い勝手は?」なんてことを聞けますけど、格安SIM(MVNO)はやはり少数派。
ネットで調べても、人によって評価は千差万別なんですよね。
加えて安い分通信速度が抑えられているものもあったり、時間帯によってはだいぶ遅くなるなんて話もありますし、どうしても不安材料にはなります。
そんな状況もあってか先日も、総務省がMVNO業者へ理論値ではなく「実効速度(実際の利用シーンに即した速度)」を開示するように求めているなんて話も。
その辺が明確になれば、ようやく「どこどこが速度はあまり速くないけど安定してる」とか「速度は一番速いけど時間帯によっては遅くなる」なんていう客観的なデータがそろって選びやすくなるのかなと。
まとめ: よく分からないし、選択肢が多すぎて選ぶのも面倒くさい
さてここまで色々書いてきましたが、私はこの記事で別に格安SIM(MVNO)をディスりたい訳でもなく、むしろ膠着状態にあるキャリアの横並び状況を打破してほしいと思っているくらいなんです。
でもあるアンケートによれば、格安SIM(MVNO)に興味を持たない理由の1位が「大手キャリアのほうがなんとなく信頼性がある」という結果なんですよね。
なんとなくってなんだよ?っていうツッコミをしたくなるんですが、漠然とよく分からないというのが正直なところなんじゃないかなと思います。
というのも格安SIMは基本的には「自分で業者を選んで」「自分でプランを選択して」「自分で設定・開通手続き」をしなければならいので、普段キャリアのショップにお任せな人から見れば、なんだか難しそう…ってなるのは当たり前。
その結果、「キャリアのプランの仕組みを理解していて」「ネットで自分で業者を選択した上で」「設定まで出来る人」にしか使われないっていうのが実態で、その結果が利用率12.1%なんじゃないかと思います。
総務省にはMVNOがもっと広めたいという考えであるなら、MVNO業者にはある一定の条件を満たさないいけないだとか仕組みづくりをしてもらい、キャリア以外の選択肢として使う側が安心して選べるようにしてもらいたいものですね。
個人的にはここまで来ると、保険見直し本舗みたいな、各社からあなたに最適な格安SIMの選択と設定のお手伝いをしますと言ったお店が出てくるんじゃないかなと思いますが、どうですかね?