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日本で「忘れられる権利」は認められる?最高裁での判決は…

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こんにちは、yumiです。

ネット検索すれば膨大な数の情報が手に入る昨今。人の名前も同様で、最近は「企業が採用面接に来た人の名前をググっている」なんて話も聞きますよね。

ポジティブな検索結果ならいいものの、もし犯罪歴があったら…?今回、児童買春で逮捕された男性が「検索結果を削除してほしい」と訴え、先月31日、最高裁で判決が下されました。

果たして「忘れられる権利」は認められるのか…ご紹介します。

日本での「忘れられる権利」は…

「自分の名前をネット検索結果から削除して欲しい…」このように思っている人は日本だけでなく世界中に存在しています。

EUでは、2011年にフランスの女性が「過去のヌード写真の消去」をGoogleに請求し勝訴。この判決は世界で初めて「忘れられる権利」を認めたもので、その後EUでは「一般データ保護規則」の中で「消去権および忘れられる権利」を明文化しました。

検索エンジン大手Googleは「情報の削除は検索結果の修正であり、これは検閲に当たる」と反論したもののEUでは認められず、Googleは判決に従い「削除要請フォーム」を開設。

氏名やメールアドレス、削除して欲しいウェブサイトのURLを入力し送信する仕組みですが、このフォームの対象はあくまでも「消去権および忘れられる権利」が定められているEU域内に限られています。

このように世界で「忘れられる権利」について議論が進んでいる中、日本でも2011年11月に児童買春・児童ポルノ禁止法違反で逮捕された男性が、Googleに検索結果の削除を求める裁判を起こします。

さいたま地裁では2015年6月に検索結果49件の削除を命令。12月には「犯罪者と言えども過去の犯罪を社会から『忘れられる権利』がある」と国内で初めて「忘れられる権利」を認めました。

Photo via VisualHunt

しかしその後東京高裁では「『忘れられる権利』は法律上の根拠がない」とし、地裁が下した削除命令が取り消されます。男性は抗告し、最高裁までもつれ込むことに。

そして先月31日、最高裁で下された判決は…「検索結果の削除を認めない」というものでした。

検索結果の削除を認めるのは「検索結果を提供する必要性を、公表されない利益が上回るのが明らかな場合だけ」とのこと。

この「検索結果を提供する必要性を、公表されない利益が上回るのが明らかな場合だけ」というのは、「検索結果というのは検索事業者の『表現の自由』でもある。この『表現の自由』と人の『プライバシー保護』を比較し、『プライバシー保護』が勝れば削除が認められる」ということ。

今回、訴えを起こした男性は「児童買春」という社会的に強い非難の対象+影響を持つ事件を起こしたということで、検索結果の必要性が勝ったわけですね。

ちなみに最高裁では「忘れられる権利」について言及はありませんでした。東京高裁が下した「『忘れられる権利』は法律上の根拠がない」という意見が踏襲されたということのようです。

Photo via Visualhunt.com

インターネットがなければ、忘れられていたはずの自分の名前。みなさんは「忘れられる権利」、必要だと思いますか?

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