こんにちは、ryoです。
2017年1月9日にiPhoneは発表から10周年を迎えました。初代iPhoneはスティーブ・ジョブズ氏のプレゼンによって華々しいデビューを飾ったわけですが、その裏では多くの苦労が隠れていたみたいですよ。
そんな「今だから言える秘話」が、 Internet History Podcastの関係者に対する取材で明らかになってきたので、今回はその驚くべき内容についてご紹介します!
なんでもプレゼン用のiPhoneは「表示偽装」されてたとか…!?
初代iPhoneの発表に隠された数多くの工夫とは
今回、Internet History Podcastが紹介しているのは、初代iPhoneの発表イベントの裏話。
今では考えられない事や、10年経ったからこそ言える内容のものまで色々なものを取り上げているので、その一部をご紹介します。
1. 安定しないiPhoneの動作
ジョブス氏は発表前、6日間にもわたってリハーサルを行ったのですが、その間一度もiPhoneが問題なく動くことが無かったそう。
この時点で驚きしかないですがw、インターネット接続が切れたり、電話ができなかったり。はたまた突然シャットダウンしてしまうなんて事もあったんだとか。
本番中にこのような事があれば、iPhoneの信頼は大きく下がってしまうので一大事ですよね。そこでAppleはある対策を講じます。
2. 「黄金の道筋」を編み出す
なかなか安定して動作しないiPhoneに対して、ある決まった順番で操作をする事で最後までデモンストレーションを行えることを発見。
メールの送信の後にWebブラウジングをするとうまくいく一方、その順番を逆にすると決まってクラッシュしてしまう、などかなりシビアな条件だったそうですよ。
「状況が分かっているのなら、根本的に直せばいいんじゃ…」と思いがちですが、そうも簡単に解決出来る事ではないみたいですね。
それだけAppleは時間に追われていたという事なのでしょう。
3. ジョブズ氏専用Wi-Fiや臨時基地局の設置
さらに「インターネット接続が切れてしまう」という問題に対しては、発表会場に非公開の専用Wi-Fiを準備。
iPhoneを最初に扱った通信事業者でもあるAT&Tは、わざわざ簡易基地局を会場周辺に設置し、特別に最高の電波状態となるようにセットアップしたそうですよ。
Appleだけではなく、通信事業者も巻き込んでなんとしても発表を成功させようとする姿が見えますね。
4. 電波の強度表示を固定
しかし臨時の基地局を設置するという準備をしてもなお不安だった技術者たちは、ステータスバーに表示される電波強度を「電波状態がどうであれ、常に最大の5本になる」ようにプログラミングしなおしました。
これで見かけ上は常にネットワークに接続しているように見えるように。…ってこれ、表示偽装じゃないですか!w
5. 敢えて3G回線には非対応
こうして無事に初代iPhoneの発表を終えたApple。
覚えている方も多いと思いますが、初代iPhoneは当時主流となりつつあった3G回線に敢えて対応しませんでした。実はここにも秘話があったんですよ。
なぜ3G回線に対応しなかったのか…それは3G回線に対応したチップの開発が出来ていなかった事に加え、3G回線では設備的に十分なサービスを提供出来ないと判断したからだったのです。
とはいえ実際にサービスを開始してみると、予想以上のiPhoneの人気で3G回線ではなく既存の回線でさえ十分な通信品質を提供する事が不可能に。
この状態が完全に解消されるまでに、なんと18カ月もかかってしまったそうです。
6. サードパーティ製アプリの拒否
さらに今では考えられないことに初代iPhoneは標準アプリのみ、サードパーティ製アプリは使えませんでした。
ジョブズ氏はiPhoneとPCの差別化を図るために、サードパーティ製アプリをiPhoneにインストールできるようにする構想を拒否し続けたんです。
そのため初代iPhoneにはApp Storeはなく、標準のアプリのみ利用可能な状態に。
標準アプリしか使えないなんて…と思いますが、ジョブズ氏としてはそれが最高の状態であると考えていた訳ですね。
まとめ
電波強度の表示固定など、今行ったら問題になってしまいそうですがw、それだけiPhoneを成功させたい思いがAppleとしては強かったのでしょうね。
このような話を知っていると、当時のプレゼンも違った見方が出来るかもしれません!
ということで以下の動画は初代iPhoneのプレゼンテーション。全編英語となっていますが、ぜひ一度見てみてはいかがでしょうか?