こんにちわ、Hikaru Sanoです。
みなさんは新しいiPhoneが発表された後、「なぜか今使ってるiPhoneが壊れた」なんてことはありますか?
この度アメリカの1人の教授、2人の助教授らの研究で、「人々は新製品の購入を正当化するためにデバイスを壊す」事が明らかになりました。
アップグレード効果
この研究はハーバード大学の教授フランセスカ氏、コロンビア大学の助教授シリビア氏、ミシガン大学の助教授ジョシュア氏の3人で行われました。
研究の結果「人々は(無意識的に)新製品の購入を正当化するためにデバイスを壊す(または紛失する)」事が確認され、これを「アップグレード効果」と名付けました。
「アップグレード効果」は「新しいiPhoneが発表されたけど今使っているiPhoneは健在だから、まだ買う必要はない」という理性を、欲求によって無意識にiPhoneを破損、または紛失させる事で「買う必要がある」と理由を作り、正当化させるもの。
下図はiPhone 5とiPhone 5sの紛失件数の統計で、黒い縦線が新iPhoneの発売日です。
この図ではiPhone 5(赤線)の場合、WWDC2013(6月)からiPhone 5s発売日(9月)に紛失のピークを迎えている事がわかります。
偶発的に起きるiPhoneの紛失が発売日に向かって増え続けること自体が異常なのですが、iPhone 5sの発売日以降急速に減少している事がわかりますね。
偶発的に起きる現象なら赤線はどこかで頭打ちになり、短期間でもほぼ横ばいの件数になる期間があるのが普通です。
これは無意識ながらも人々が故意に端末を紛失している証拠の1つとして提示されました。
また次の下図では「どんな要因がスマホの扱いに影響しますか?」というヒアリングの結果が提示されています。
1番の要因は「価値」、2番は「端末の重要度」、3番は「性格」と続き、「特になし」「その他」よりも下に「アップグレード」が位置しています。
人は支払った対価に比例して物の扱い方が変わる傾向にある、というのがわかりますね。
上図の結果を見る限りは、「アップグレード効果」を否定する結果のようにも見えます。
上記を踏まえた上で彼らはヒアリング参加者に「マグカップ」をプレゼントし、「ジェンガ」の上に「マグカップ」置いて行うゲームを行いました。
参加者を2つのグループにランダムに分け、一方にはゲームに勝てばもっと良いマグカップを進呈するとし、もう一方には特に何も言わずに参加者を募りました。
結果的にどちらの条件でも全員がゲームに参加する事になったのですが、ゲームに勝てばもっと良いマグカップを進呈すると言われたグループの参加者は、何も言われなかった方に比べ明らかにジェンガのピースを引き抜く事に躊躇がなかったそうです。
ジェンガが崩れればプレゼントされたマグは割れてしまうのに、「ゲームに勝てばもっと良いマグが貰えるから」と、プレゼントされたマグが割れてしまうという意識が薄くなってしまったのです。
ヒアリングでは「価値」が一番とされていましたが、現実に優先されたのは「アップグレード」だったワケですね。
この他にも様々な実験、検証が行われ、「アップグレード効果」が存在すると発表するに至ったそうです。
まとめ
いかがでしたか?
今までに新iPhone発表後にiPhoneを故障したり紛失してしまった人は、無意識に新iPhoneを手に入れる為の口実を作ってたのかも知れませんね。
Appleが1年おきにマイナーアップデート、2年おきにメジャーアップデートを行うのはこの現象を理解しての事なのかも知れませんよ…。