肩こりがひどい、腰が痛い…などなどちょっとした健康問題を検索で調べた時に、上位に表示される記事の内容の信頼性が低かったら…なんて思うと怖いですよね。
そんな指摘を受けて、運営の見直しを発表したのがDeNAの運営するヘルスケア情報まとめサイトである「WELQ」なんです。
検索上位に表示されていれば有益な情報に違いないと思ってしまいがちですが、内容が健康や医療の話の場合は注意しないといけませんよ!
肩こりの原因の1つは◯◯!?
なんだか最近肩こりがひどいんだけど、「どんな原因があって手軽にできる解消法とかないかな〜」って検索するようなことってありますよね?
すると検索結果の上位には、ずらーっとDeNAが運営するサイト「WELQ」の記事が出てくるんです。
「WELQ」は「健康や医療をもっと身近に。」をテーマにしたサイトで、ヘルスケア情報を主に発信しており検索に強いのが特徴。
そんな記事の1つを見てみると、タイトルは「肩こりがひどいのは病気が原因?気になる怖い病気とセルフ対処法」というもの。
ただの肩こりだと思ったら、実は何かの病気が原因だったりすることもありそうなので、これは気になる内容ですよね。
目次では痛い肩による病気の説明から始まるのですが、「右肩だけが痛い」時には片方だけに負担が掛る姿勢を長時間取っていると起こりやすく、パソコン作業だと肩こりからくる頭痛も…と解説。
そして考えられる病気として、「胆石症や胆のう炎、肺ガンなど」などの可能性を指摘しています。可能性とは言え、ちょっと怖いですよね。
そしてここからが驚きで、右肩が痛い原因は「幽霊」であることもありえると説明してるんです…。
いやいや、健康と医療のサイトで幽霊が原因ってさすがにないでしょうwww
しかも右肩につくのは守護霊で、「先祖がたくさん乗っている場合もあり肩の痛みやこりを感じるのはムリのないことかもしれません。」としています。
霊がたくさん乗ってると重くなるとか、これまたすごい発想です。いやはやさすがにこれには驚きですよ。
これは極端な例ですが、こんな感じで健康と医療に関する内容の記事の中に、とてもこれを専門テーマにしているまとめサイトとは思えない内容が大小あり、メディアとして問題があると指摘を受けたという次第なんですね。
少し前には検索で「死にたい」で検索すると検索すると「WELQ」の記事が表示され、最終的に転職サイトの広告につながってると突っ込まれてたんですが、どうも叩くと色々出てくるようです。
[死にたい]検索1位のDeNAのWelq。色々ダメな所だけどこれは最悪だ。
「死にたいと思う人は承認欲求が強い」→「自己承認力を高めるには自己分析が有効」→オススメしたいのが転職サイトなどで無料で使える「キャリア診断テスト」→アフィリンク!
死のうとしてる人から搾り取るなよ……— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2016年10月22日
これらの指摘を受けての対応なのかは分かりませんが、先日「WELQ」は「専門家による記事確認」および「記事内容に関する通報フォームの設置」を発表。
今後は「医師や薬剤師などの専門家などによる監修」を始め、問題があれば記事を削除するとしています。
最初にご紹介した「肩こりの原因に幽霊もありえる」とした記事も、現在は削除されているので監修が入ったということですかね。
一方で、今回の発表から逆に言えば「今まで専門家の監修はまったく受けてなかったのでは?」という指摘もあり、まだまだ騒ぎは収まりそうにない状況。
また、順次記事削除という対応が、読者の安全よりも収益を優先しているのではとの指摘もあり、今後「WELQ」の対応次第では運営するDeNAの企業姿勢を問われることなりそうです。
問題のある記事を残しながら(収益を上げながら)順次削除というのは、今後も真っ当に運営をしていきたいのであれば、かなりの悪手では。ビジネス上の観点で公開を差し止められないというのは理解できなくはないけど、安全性より収益優先ということがはっきりしてしまった。
— 朽木誠一郎 (@amanojerk) 2016年11月25日
一般論として、デマだらけのメディアがあったら、すべての検証が終わるまで記事の公開は差し止めでしょう。影響力には責任が伴う(特に生命や財産に関わる分野には)という意識がないのかな。これは完全に、システム、企業体質の問題になってしまったように思う。
— 朽木誠一郎 (@amanojerk) 2016年11月25日
ネットは「うそはうそであると見抜ける人でないと難しい」なんて言い方もされますが、これもそれで片付けられてしまうことなのか、そうと言い切れない話なのか、なかなか難しい問題ですよね。
もっとこの問題に関して知りたい方は、永江一石さんの運営する「More Access! More Fun!」の記事で詳しく解説されているので、ぜひ合わせてご覧ください。
⇛DeNAがやってるウェルク(Welq)っていうのが企業としてやってはいけない一線を完全に越えてる件(第1回)