こんにちわ、Hikaru Sanoです。
7月29日公開公開された映画「シン・ゴジラ」、皆さんご覧になりましたか?脚本家や監督が映画界では著名人な事もあり、大変話題になっていましたね。
そんな「シン・ゴジラ」、どうやら制作にiPad Proが一役買っていた事がBuzzFeedの取材で明らかになっているそうなのですが、一体どのような使われ方をしていたのでしょうか?
撮影と映像共有で大活躍!
取材に応えたのはピクチャーエレメント社の代表取締役、「シン・ゴジラ」ではVFXプロデューサーを務めた大屋哲男さん。
なんと撮影自体にiPhoneやiPad Proを使ったという驚くべき事実もあったのですが、iPad Proに関してはさらに重要な役割があったんです。
その役割とは「映像共有」。「シン・ゴジラ」は東宝スタジオ、スタジオカラー、白組の3拠点で制作が行われたのですが、その3拠点での制作状況をリアルタイムで中継していたのです。
以前の制作方法ではたとえデジタル制作であっても編集データは拠点ごとに異なった状態のものを保持する事になりますが、iPad Proを利用することで編集作業での変更点などを他の2拠点でもすぐに確認できるようになったそうです。
この中継には映像制作に特化したピクチャーエレメント社のiPadアプリ『PE RUSH!』が採用されました。
例えば収録映像の一部に指示を書き込む事ができ、上記の通りリアルタイムで共有されているので担当者への指示が的確かつ迅速に行えた事が伺えます。
また映像中の気に入ったコマに「いいね!」をする事ができ、パンフレットで使うような写真も簡単に集められるようにしました。
フィルム時代ではこの作業が非常に大変な作業だったらしく、映像を一時停止してスクショ撮るなりデジカメ撮影するなりして、それが何十枚も送られてくるという非効率的な共有がされていたそうです。
これだけでは「他の端末でも良くない?」と思われるかも知れませんが、iPad Proが採用されたのには大きく2つの要因があったと話されています。
1つ目は「色彩感覚を直感的に共有できる」という事。
デジタル制作であっても各々が利用している端末、モニターによっては同じ映像でも微妙に違うように見え、「この映像暗くない?」「もっと青みがほしい」といった直感的な話は難しかったそうです。
iPad Proは映画をデジタル上映するためのデジタルシネマ規格をサポートしているそうで、スクリーンに合わせた色味を再現しつつ直感的な映像編集を可能にしたんだとか。
2つ目は「セキュリティ面も考慮」した結果。
映画制作中に劇中の映像が流出してしまうと被害は甚大なので、映画製作会社から「セキュリティ面をクリアしないと使用許可は出せない」と要望を出されていたそうです。
以前はDVDなどの媒体などで共有していて紛失や流出があったのですが、『PE RUSH!』を使えばデータが流出する事も抑えられるし、iPadなら遠隔でデータ消去できるので安心ですね。
「リアルタイム共有」「色彩感覚共有」「セキュリティ」の3つが評価され、iPad Proが選ばれたというわけです。
まとめ
いかがでしたか?
iPad Proは発売当初から一般人からの関心はそんなに高くなかったのですが、プロ目線だと非常に優れた端末であることが伺えますね。
某有名漫画家さんも2台のiPad Proを駆使してイラストや漫画を制作しているそうなので、映像や画像関係のお仕事ではもっと活躍の場が増えていくかも知れません。