こんばんは、yumiです。
先日からインターネット上で騒動になっている「PCデポの高額サポート費問題」をご存知でしょうか?
とある方がパソコンの修理にPCデポを訪れた際に月額のサポート契約を結び、「必要ないから」とサポートの契約解除にいったら20万円の契約解除料を請求された…というもの。
今回PCデポ側が公式発表を行ったので、一体なにが問題でどのような経緯だったのか振り返ってみたいと思います!
PCデポの高額サポート費問題とは
事の発端は今月14日、Twitterユーザーであるケンヂ(@kenzysince1972)さんが投稿した以下のツイート(※現在は削除済み)。
「80過ぎの独居老人である父が、PCデポに毎月1万5千円の高額サポート契約を結ばされてました。解約に行ったら契約解除料10万円を支払わされました」という内容とともに、小計10万円(消費税を入れて合計10万8,000円)のレシート画像が添付されています。
これだけだと「確かに高いかもしれないが、契約を解除するための料金は説明されていただろうし、支払わないといけないのでは」と思う方もいると思いますが、問題はその内容のようで…。
まずケンヂさんのお父さんはパソコンの修理に出向き、その際に「ファミリーワイドプラン」という月額5,500円のサポート契約を結びました。
計10台のサポートが受けられるようですが、ケンヂさんは上述したツイートに「お父さんは独居老人」と書かれているため、一人暮らしのはず。10台のデバイスを所有しているとはなかなか考えづらいものがあります。
さらにサポート費だけなら5,500円ですが、光電話やiPad Air(16GB)のレンタルなど様々なオプションが付けられ、月額で約1万5,000円になっていたとのこと。しかもiPad Airに関しては「(自宅に)見当たらない」と…。
何故こんな契約をしたのか?独居老人にファミリーワイドプランの必要性がどこにある?と問うと、「お父様はiPadを欲しがった」と答えてきた。普通に買った方が全然安い。ファミリーワイドプラン入ってもiPadはリースという鬼畜契約。更に不可解なのはiPadが見当たらない事。#PCデポ
— ケンヂ (@kenzysince1972) 2016年8月15日
さて、そんな契約に気づいたケンヂさんがPCデポに出向き契約の解除を申し出たところ、20万円の契約解除料を請求されたそうです。
しかし話し合いによりなぜか10万円に減額され、消費税を含め計10万8,000円を支払うことに。
@yodelx 当初20万円の契約解除料を請求され、ゴネたら10万円になりました。ファミリーワイドプランというのを軸に様々なオプションをセットされてました。その中にi pad air16g本体もセットされてました。 pic.twitter.com/4RPO1it7YR
— ケンヂ (@kenzysince1972) 2016年8月14日
ここまでがケンヂさんが当初ツイートした時までの経緯となっていますが、この時点ですでに問題がたくさんあるように思えます。気になる問題点をまとめると、
- 1人暮らしの(高齢)男性に「ファミリーワイドプラン」は必要だったのか?
- 20万円の契約解除料がなぜ10万円に減額されたのか?(減額可能な解除料に正当性はあるのか?)
- 消費税は払う必要があるのか?(※1)
※1:国税庁によると「解約に伴う事務手数料としてのキャンセル料」は消費税の対象となるが、「損害賠償金としてのキャンセル料」に対しては課税対象ではないとしています。今回の金額は本来20万円と高額なものであるため「事務手数料」とは考えづらく、損害賠償金ならば消費税は対象となりません。
当初、20万円の解約料を請求されたのは事実です。これが20万円の根拠のようです。フォロワーさんから教えていただきましたが、解約料に消費税はないみたいです。
何から何まで悪質です。#PCデポ pic.twitter.com/fbckpekraQ— ケンヂ (@kenzysince1972) 2016年8月15日
このような問題があったためケンヂさんのツイートが拡散され、騒動に発展。
8月16日にはPCデポが「特に高齢者のお客様に弊社のサービスをより十分にご理解いただきご契約いただけるように改善策を検討して参ります」と発表しました。
しかし上述した問題についての見解が述べられていなかったことや、その後ケンヂさんが「PCデポ本社より電話ありました。要約すると・不愉快な思いをさせたことは謝罪する。・契約には正当性がある。・解約料も適正。・消費税も適正。・ⅰPADは渡してある。父が使用したログも残っている。との事でした」とツイートしたことから、騒動はやまず…。
PCデポ本社より電話ありました。要約すると・不愉快な思いをさせたことは謝罪する。・契約には正当性がある。・解約料も適正。・消費税も適正。・ⅰPADは渡してある。父が使用したログも残っている。との事でした。#PCデポ
— ケンヂ (@kenzysince1972) 2016年8月16日
本日、PCデポはさらなる公式発表を行いました。
今後の対応
1)お客様の使用状況にそぐわないプレミアムサービス及びその他関連サービス契約の加入者様に関しては、コースの変更及び契約の解除を無償(注1)で対応いたします。
2)70 歳以上のお客様が新規にご加入される際は、原則、ご家族様、もしくは第三者の方の確認をいただくとともに、ご加入後3カ月以内のコース変更及び契約の解除を無償(注1)で対応いたします。なお、現在は 75 歳以上のお客様が新規にご加入される際、加入後1カ月以内のコース変更及び契約の解除を無償(注1)にて承っております。
3)75歳以上のご加入者様に関しましては、ご加入期間に関係なくコース変更及び契約の解除を無償(注1)で対応いたします。
(注1):加入者様にご提供をしている商品につきましては、ご返却をお願いいたします。
簡単に言うと、
- いまサポート等の契約を結んでいる人:コース変更や解除を無償で対応
- 70歳以上の人が新規契約する時:契約時に家族などに契約内容を確認してもらう。3ヶ月以内のコース変更や解除は無償で対応
- いまサポート等の契約を結んでいる75歳以上の人:加入期間に関係なくコース変更や解除を無償で対応
というもの。
「お客様の使用状況にそぐわないサービス提供があったことを重く受け止め、その適正化推進に向けた対応を実施して参ります」とPCデポも発表していることからこれで一件落着…と行きたいものですが、ケンヂさんの契約解除料10万8,000円に対してどうなるのかはPCデポも本人も明らかにしておらず、沈静化までにはもう少し時間がかかりそうです。
こういった「きちんと理解していない人に対して高額な契約を提案する」というのは昔から問題になっていましたし、今回の件は氷山の一角だと思いますが…「必要な人に必要なサービス」だけが行き渡る世の中になることを期待したいものですね。