こんにちは、菊太郎です。
先日、SoftBankはイギリスの「ARM」という企業を3兆円で買収すると発表しましたが、「ARM」とは一体どんな企業で、なぜSoftBankはこれだけ巨額の投資をすることになったのでしょうか?
実は今回の買収には、SoftBankの大いなる野望と未来への夢があったようです…!
ARM社ってどんな会社なの?
今回SoftBankが買収したのは、イギリスに本社がある半導体開発企業ARM社。
半導体の設計図を開発し、半導体製造メーカーに提供している企業です。
iPhoneをはじめほとんどのスマートフォンはARM社ベースの半導体を使っており、SoftBankの孫正義社長によると「世界中のスマートフォンの97%がARM社が設計したチップを使っている」とのこと。
ぼくたちがスマートフォンを使えるのも「ARM社があるから」と言っても過言では無いほど、半導体の製造には欠かせない企業のようですが、今回SoftBankはなぜこのARM社を買収することにしたのでしょうか?
SoftBankがARM社を買収した経緯
SoftBankがARM社を買収するために使うお金は240億ポンドで、日本円に換算すると約3.3兆円。
国を挙げて開催する東京オリンピックの経済効果が8年で3兆円なのを考えると、どれだけ巨額の買収だったのかが分かりますよね。
SoftBankは数々の買収を行うことで成長してきた企業ですが、今回のARM社買収額はSoftBank史上最高額。
孫社長は10年以上今回の買収を考えていたとのことですが、イギリスが欧州連合(EU)を脱退し、ポンドの価値が下落したのが買収に踏み切るきっかけになったようです。
そういった経緯でARM社を買収したSoftBankですが、今後はどのようになっていくのでしょうか?
SoftBankの思い描く未来とは
孫正義社長は港区で行われた「SoftBank World 2016」で、モノのインターネット(loT)に関する展望を語りました。
モノのインターネットとは、家電や車、家や衣類に至るまで様々なモノがインターネットに接続され、すべてのモノが繋がるようになる仕組みのこと。
「今後はありとあらゆるモノがコンピュータ化して半導体が使われるようになる」と孫社長は確信しており、「20年以内に、約1兆個のチップをこの地球上にばらまく」との発言をしました。
いま現在モバイル向け半導体の9割近くにARM社が関与しているとも言われているので、=将来的には身の回りにあるほとんどのモノにSoftBankが関与している…という時代が訪れるかも知れません。
しかもARM社には、loTに適した「TrustZone」というセキュリティシステムがあるため、loTが浸透していけば行くほどSoftBankの影響力はさらに大きなものになっていきそうです。
一部では「SoftBankは危険な賭に出た」と否定的な声も聞かれましたが、
- これから半導体の需要が高まりそう
- ARM社の半導体シェアは非常に大きい
- ARM社はloTに適したセキュリティシステムを持っている
といった事を考えると、かなり堅実な買収だったのかも…?
孫社長は「ARMはSoftBankの中核になる」と発言するほど今回の買収に期待を持っている様子。将来SoftBankは、ぼく達の生活になくてはならない企業になっているかもしれませんね…!