ごきげんよう、菊太郎です。
にわかには信じがたいですが、携帯電話や電子レンジなどの使用が禁止され、一切の電波が遮断されている町がアメリカに存在しています。
様々なテクノロジーによって成り立っている現代社会。電波のない生活はさぞ不自由そうですが、あえてこの電波のない町に移住する人もいるそうです。
スマホなど最新デバイスの機能を十分に発揮できないため、科学技術から取り残されてしまいそうですが、電波を排除することに非常に大きな意味があったようですよ…!
一切の電波が存在しない町
携帯電話は圏外。ラジオはただのノイズ。Wi-Fiも電子レンジも制限され、ありとあらゆる電波から遮断された町「グリーンバンク」。
この町では1958年から、先に挙げたような電波が発生する機器の使用を禁じられています。
携帯電話基地局がないため携帯電話は使用できず、Wi-Fiも存在しないので外出時ネットにつなぐのは困難。
通信手段が相当限られてしまうため、仕事にも支障が出てきてしまいそうですよね…。
それにしても気になるのは、なぜグリーンパンクはわざわざ電波を禁止しているのか?ということ。
「宗教上の理由か何かなのだろうか」と思いきや、実は”科学技術のために”あえて”科学技術を制限”していたようです…!
電波が精度を狂わせる
このグリーンバーグは、アメリカ国立電波天文台のグリーンバンク望遠鏡をはじめ、アメリカ国家安全保障局の運用する電波望遠鏡などが多数設置されている電波望遠鏡の町。
光を集めて星を観測する光学望遠鏡に対して、電波を集めて星を観測する電波望遠鏡は非常に精密な原子レベルの観測が出来ますが、その反面ほかの電波の影響を受けやすくなってしまいます。
携帯電話や電子レンジなど一般的に家庭で使われる電波も電波望遠鏡の障害になりかねないので、電波望遠鏡にとって至適な環境として、一切の電波を遮断したグリーンバンクという町が生まれました。
電波望遠鏡の誤作動を防ぐため、Wi-Fiやコードレス電話を使っていないかをパトロールするなど、電波の取り締まりも徹底して行われています。
それだけ電波環境に気を遣っているため、グリーンバンクは天文学の発展に大きく貢献しており、地球外知的生命探査プロジェクトにも活用されるとのこと。
何もないのどかな町どころか、科学の発展に貢献しているスゴイ町だったんですね…!
さて一切の電波を排除したグリーンバンクですが、実はそれ以外にも”ある人たち”にとって欠かせない場所になっているようです。
電波に悩める人の楽園
このグリーンバンクにはもう一つ大切な側面があります。それは「電磁波過敏症患者の駆け込み寺になっている」ということ。
電磁波過敏症とは聞き慣れない病名ですが、簡単に言ってしまえば電磁波のアレルギー反応。
携帯電話やラジオの電波を受けるだけで、気分が悪くなったり、めまいがしたり、マヒしたり…と、深刻な症状を及ぼすこともあるようです。
ただしこの電波アレルギーは、世界保健機関の具体的な診断基準を設けられていないため、正式な病気として認めておらず、その患者達は十分なケアがなされていない状態。
そのため病から逃れるために、電波の影響が少ないグリーンバンクに移住してきていると言うわけなんですね。
都会では体調が悪かったのに関わらず、この町に来てからほとんど問題なく過ごせている人も多いので、彼らにとっては欠かせない場所になっているようです。
スマホがない生活なんて考えられない!という人にとってはすごく異端に見えてしまいますが、電波のない町グリーンバンクは科学の発展に貢献しており、電波に悩める人の楽園になっているという必要不可欠な町なんですね…。
コチラからこの町の様子を見ることが出来るので、興味がある方はぜひとも見てみてくださいね!