WWDC 2015で発表され、今ではiPhoneにはなくてはならない音楽配信サービスになった「Apple Music」。
日本には様々な音楽配信サービスが提供されていますが、Apple Musicがそれらと違う点がいくつかあります。配信曲数や月額料金も異なるのですが、実は「ビットレート」も違うとのこと…。
しかし一口に「ビットレート」と言われても、一体なんのことなのかイマイチわからないですよね。そこで今回は、ビットレート等、音質に関する豆知識をご紹介します!
ビットレートと音質の関係
Apple Musicを始め各社から登場している音楽配信サービス。各サービス内容を見てみると、価格や配信曲数の他に「音質」という項目があります。
例えばApple Musicでは「256kbps」、LINE MUSICでは「320kbps」や「64kbps」などという表記が…。
この数字は「ビットレート」と呼ばれており、音楽データを圧縮し、1秒ごとに入っているデータ量を数字で表したもの。
データ量が多くなれば多くなるほど音質は良くなるので、単純にこの値(kbps)が高ければ高いほど高音質になります。
ただし、単純に「ビットレートが高い=音質がいい」というわけでもありません。
音質はその”圧縮技術”によるところも大きいので、ビットレートが低くても高音質な音楽ファイルはいくつもあります。
さらに音質の良さは、ビットレートの数値や圧縮技術のほか、リスニング環境も大きく関わってきます。
電圧、ケーブル、スピーカー、オーディオインターフェイスなどによって音質は左右されてしまうので、ビットレートの高い、もしくは高度な圧縮技術が施されている音楽ファイルであっても、安いイヤホンしか使わないならあまり意味が無くなってしまう…というわけなんですね。
さてここまで「一概にビットレートの数値=高音質ではない」「データの圧縮技術や環境による」とご紹介しましたが、そもそも音楽を圧縮するとは一体どういう事なのでしょうか?
音楽を圧縮ってどういうこと?
私たちが普段、iTunesやYouTubeで聞いている音は、基本的にすべて圧縮されています。
無圧縮だとファイルサイズは膨大なものになってしまうため、音楽配信の際に通信料を抑えたり、端末の容量を節約するためにも圧縮は必要不可欠。
代表的なmp3ファイルやaacファイルならば、ファイルサイズを1/10以下に抑えることもできます。
特に近年は、ダウンロードするだけで保存しないストリーミング再生や、iPhoneなどコンピュータに比べて容量の少ないモバイル端末に音楽を入れることが多くなったので、少ないファイルサイズに圧縮することの重要性はますます増しています。
さて、そうなると「圧縮された音楽は劣化しちゃうの?」と不安になるかもしれませんが、実は普通のリスニング環境ならはっきりと分かるほどの劣化はありません。
圧縮といっても、人間に聞こえないような超高音/超低音を省いたり、聴いていて分からないレベルでデータのみを間引いているので、よっぽどこだわる人でなければ圧縮されていてもはっきりとした違いは分からないでしょう。
そもそも高音質といわれている音楽CDでさえ音を圧縮していますし、まったく劣化されていない音楽を聴くのは「生演奏しか無い」といっても過言ではありません。
ちなみにコンサートなどの生演奏では、CDやiTunesの音楽ファイルではカットされているような超高音/超低音も流れています。
このような音は耳で聴くことはできなくても、身体で感じて脳に伝わってくるので、普段聴いているのとは違う感動を味わえる…というわけなんですね。
まとめ
ということで、ビットレートについて解説してきましたが、まとめると以下のようになります。
- 基本的に、ビットレートが高くなれば音質も良くなる
- ただし音質の良い/悪いは、リスニング環境などにも左右される
- 高音質な音楽ファイルがあっても、性能の良いイヤホンで聴かなければあまり意味が無い
- 普段聴く音楽は、間違いなく圧縮されている
- しかし高度な圧縮技術のため、ほとんど気にする必要は無い
せっかくだから音質についての正しい知識を持って、より音楽を楽しみたいですよね。Apple Musicもまもなく始まることですし、素敵な音楽ライフを過ごしましょう!