iPhoneを充電する際や、PCと同期する際に使う「Lightningケーブル」。
直感的に理解しづらいネーミングなような気がしますが、一体なぜ「Lightning」という名称なのでしょうか?
そこで今回は、名称の由来や特徴、さらにはLightningが無くなるかも!?など、Lightningにまつわる豆知識をご紹介します!
Lightningの名前の由来
そもそもLightningとは充電やPCとの同期の際に使われるコネクタのことで、元々はAppleの内部で使われていた名前が実際の名称となったもの。
そしてその由来は、Macで使われている「Thunderbolt」という、PCと周辺機器を接続するための規格から来ているそう。
「Thunderbolt」も「Lightning」も日本語で「雷」を表す単語となっており、通信の速さをイメージさせる名称ということなのかもしれません。
Lightningの特徴は「裏表を気にせず使えるリバーシブル仕様」といったユーザビリティを高めてくれる利便性にあります。
と同時に「Lightningを採用した周辺機器はApple社の認証が必要」ともされており、こちらはアクセサリーメーカ等にとって決して”良い”とは言えない特徴なのも確か…。
EUのプレッシャーをかわすApple
EU(欧州連合)では、2009年に携帯電話充電器の規格をマイクロUSBに統一すると決定し、Appleやサムスンなどスマートフォンメーカー10社がそれに合意。2010年販売の端末から対応されてきました。
LightningをマイクロUSBへと変換させる「Lightning – Micro USBアダプタ」を販売しているものの、2013年EUでは携帯端末の普遍的な充電器を義務付ける新しい法案が採択されたため、2017年までにマイクロUSBへ統一することが求めていました。。
…が、その後もAppleはLightningを採用。
また2018年にもEUは、独自規格の充電ポートを採用するAppleに対して、(USBタイプへ)変更を迫っています。
⇒ EU regulators to study need for action on common mobile phone charger
EUが実際の統一の行動に入るのは時期尚早と思われますが、EUは法律を通じて、EU市場で販売されるデバイスのメーカーに、充電基準を統一するように強制的に迫る可能性があった訳です。
なぜiPhoneはUSB-Cに完全移行しないのか?
もっとも大きな理由はやはりコスト面だと考えられます。
仮にiPhoneにUSB-Cに完全に移行すると、既存のLightning対応製品に対応する為
- USB-CとLightningの変換アダプタ
- Lightning対応イヤホンEのUSB-Cへの変換アダプタ
- USB-Cの電源アダプタ(iPhone11から採用済み)
の3つが必要になります。
iPhoneにはiPadにはないイヤホンの付属があることや、新たに3つの生産ラインを整えることなどを考慮するとこれはそれなりのコストになるでしょう。
そのためAppleとしては値上がりを続けるiPhoneの価格を抑えるために新たなコストになりそうなUSB-Cの採用は見送るのではというわけです。
また、AppleにはMFi(Made For iPhone)認証の使用料で稼いでいる一面もあります。
Lightning端子というApple独自の規格があるために、多くのメーカーがMFi使用料を支払い、Lightningの変換アダプタやiPhone専用のケーブルと充電器を発売しています。
つまり、Lightningを完全に廃止することはそれらからの利益が一切なくなることを意味しており、Appleとしては簡単には手放せないのかもしれません。