絶え間なく続いているAppleと他企業による特許抗争、もう何年も争っているものや判決が二転三転しているものなど様々ですね。
そんな特許について新たな火種が生まれたようなのですが、どうも相手の動きがおかしいように思えます。
訴えるならAppleではなくTSMC
Appleと特許抗争といえばもやは日常ニュースのようなイメージがあるほど目にするのですが、韓国でまた新たに特許抗争の火種が生まれたようです。
韓国の国立大学であるKAISTは今月になって、Appleが権利許諾など無しにKAISTが保有する特許をiPhoneなどに使用していると発表しました。
その特許とは「finFET」と呼ばれるトランジスタ技術で、ざっくり言えばチップの消費電力を抑えつつ高い性能を引き出すというもの。
もしAppleがこの技術を無断で使用しているのであれば、Appleは関連するとされる商品の年間売り上げの30%という莫大な金額を支払う事になります。
が、そもそも本件の対象になったチップの製造・供給は台湾のTSMCであり、もし無断使用を訴えるなら相手はAppleではなくTSMCである事が妥当のはず。
また「finFET」についてですが、これは世界各国の企業が各々開発を進めているチップの「物理的構造による性能向上技術(製造技法)」の総称で、TSMCに至ってはその先駆けとして2002年に独自の「finFET」である「Omega FinFET」の発表に至っており、わざわざ自社開発のものではなく異国の大学の特許を違法にコピーするとは到底考えられないでしょう。
11月にはiPhone X韓国発売を控えたAppleに突然家宅捜索をした事もある韓国、もしかしたら政治的な力が働いているのでは?と関係者の間で噂になっているそうです。
専門家よれば「この訴えを起こす事自体が目的」との話もあり、近く韓国にApple Storeを開くAppleへのイメージダウンが目的なのかも知れませんね。
まとめ
ちなみに「finFET」の先駆けと言われているのはTSMCの他、Intel、AMD、IBM、Motorolaが挙げられており、当然KAISTの名前はありません。
この訴えの真実はこれからの調査で明らかになるでしょうが、TSMCではなくAppleを標的にした時点でこの件はある意味決着がついているようにも思えます。